醜い日本社会の底知れぬ憂鬱
- 高下 豊光
- 2021年10月24日
- 読了時間: 2分
バッシングは何故起きた
---イラク日本人人質事件の憂鬱

2013年製作/日本 配給:ホームルーム
2004年に起こったイラク日本人人質事件の当事者たちのその後を取材したドキュメンタリー。
04年、イラク戦争のさなか、武装勢力がファルージャで3人の日本人を拘束し、支援活動のため派遣されていた自衛隊の撤退を要求。
3人は、軽率な行動が国に迷惑をかけたとして「自己責任」を問われ、激しいバッシングにさらされる。
同事件で人質となり、事件後のPTSDを乗り越えて再びイラク支援を続ける高遠菜穂子さん、同じくPTSDに苦しみ、その経験から不登校やひきこもりなどの若者を支援するNPOで働く今井紀明さんを取材し、事件から10年を経てもなお、解決されていないさまざまな問題を浮き彫りにしていく。
2004年、アメリカの対イラク戦争を支持した日本はイラク・ファルージャに自衛隊を送っていた。
ところが、3人の日本人が現地の武装勢力によって拘束される。
武装勢力は3人の命と引きかえに自衛隊の撤退を要求した。
日本政府は、武装勢力の要求を拒否する。
あろうことか、閣僚らは、3人がイラクで拘束されたのは「自己責任」だと言い募る。
さらに、世間はその3人を批難した。
結局武装勢力は3人を解放することになったが、その時の日本政府の判断、国民世論は正しく検証されるべきであった。
その考えから出来上がったのがこのドキュメンタリー作品である。
1977年に発生したダッカ日航機ハイジャック事件の際に、政府は「人命は地球より重い」という立場で事件処理にあたったこともある。
映像は、アメリカ軍の攻撃によって多くのイラク人が殺され、また先天異常の赤ちゃんが多く生まれる状況を生々しい映像で描いている。
その人質のうちの一人で、その後もイラクでの人道支援活動にあたる「高遠菜穂子さん」の姿も生き生きと紹介されている。
イラク戦争への自衛隊の参加・加担の検証の必要性は、けっして不要不急ではない。
イラク戦争は、産軍複合体の米国で、石油利権のために起きたという声もあった。
戦後の日本人は、水と安全はタダだと思って安楽に生きている。
だが、あなたのマイカーに給油するガソリンは、誰の血で贖われたものなのか、思いをはせたことがあるだろうか。たぶん、一度もないと思う。
映画のように長くはないドキュメンタリー作品だ。
見逃した人には激しくおススメ。

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