資産100億円を溶かした天才の憂鬱
- 高下 豊光
- 2022年2月15日
- 読了時間: 2分
彼が、築いた資産は、そのサウンドが音楽シーンを牽引したころゆうに”100億円”を超えていた。

一般会社員の年収は多い人でも800万円。平均では400万円といったところ。
最近では全体の40%を超える人が非正規雇用だという。派遣登録で働く人がほとんどを占める。
そして、彼らの平均年収は250万円なのだ。
比べてみるのも乱暴な話だが、小室哲哉は、土地に別荘、株券、クルーザーなどを所有し、年に12億円も収める高額納税者であった。
しかし、彼の曲が売れなくなる日がやってきたのだ。さらに、泣きっ面に蜂とは、よく言ったもので、ここで巻き返しとばかりに、100万ドルを出資した「海外事業」に失敗する。
彼は、なんと70億円もの損失を計上するに至るのだ。
彼は10年で、その資産100億円を溶かしてしまうのだ。100円ではない、100億円をスってしまったのだ。
カードが止められ、ETCのバーさえ上がらなくなってしまう。
いくら苦しんで楽曲しても、もうブームが去ったのだ。
彼がとった行動は「著作権譲渡詐欺」である。
彼は、知人から5億円を詐取した。2006年、芸能界を震撼させた大事件だった。
バブル楽曲経済を自分で膨らまし、自分で叩き割ったのだ。
楽曲については確かに神童であったが、生き方についてはわずかな振動にも耐えられはしなかった。女性に対してもそうだったのだろう。
私は、小室哲哉を見るにつけ、高額賞金を引き当てた宝くじ当選者の話を思い出す。
1億円あるいはそれ以上の当選者は、たいていが不幸になっているという。
小室哲哉の生家が、もし大金持ちの資産家であったなら、資産100億円を溶かしてしまうことなどはなかっただろう。
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