豊田亨、東大大学院生で戦後初の死刑
- 高下 豊光
- 2021年11月11日
- 読了時間: 3分
麻原彰晃は、「ヴァジラヤーナの実践」「シークレット・ワーク」などと呼ばれた反社会的活動を「修行の一環、功徳を積む行為」などと正当化した。

そして、「第三次世界大戦を回避するため三万人の成就者を出す」「ハルマゲドンが起きる1997年までに修行を完成させなければならない」などと終末思想を煽った。
さらに、「ヴァジラヤーナ」の妨げとなる弟子の常識的な"観念"を徹底的に奪い去ったのだ。
つまり、修行の妨げになるからという名目で、麻原の考えや反社会的活動に反抗する意志や能力を信者から消し去るために様々な洗脳を施すようになった。
1994年前後には、違法薬物や機械によるイニシエーションが始まり、イソミタールやチオペンタールによる催眠状態を利用して潜在意識へ教義を刷り込む「バルドーの悟りのイニシエーション」(ナルコ)、
また、LSDや覚醒剤などの幻覚作用を利用して「神秘体験」を誘導する「キリストのイニシエーション」「ルドラチャクリンのイニシエーション」が大掛かりに行われたのだ。
こうして多くの秀才たちがオウムに絡めとられていく。
そのひとりが、戦後の東京大学大学院生で初の死刑囚となった「豊田亨」である。
内情を知らない段階で、このカルト集団を持ち上げたTBSをはじめマスコミの罪はなんと重い事か。
仏教学者の「鈴木大拙」は、「LSDと禅」というエッセーを残している。
それによると、LSDによる不思議な効果は、宗教的意識に及び、通常、人が見ることができない幻覚を生じさせるという。
エッセーが書かれたのは、ベトナム戦争後のヒッピーが現れた頃である。アメリカ社会には幻覚剤や麻薬が急速に蔓延していた時代だ。
麻原彰晃は、いつこの歴史的事実を知ったのか分からないが、彼はすぐさま薬物をオウムの儀式に持ち込んだ。
幻覚ならぬ"幻想"が彼の中で膨らみ始めたのは、彼がLSDの使用を思いついてからだ。
早川紀代秀、村井秀夫、そして共産党員だった弁護士青山吉伸が入信してきた。
いずれも自分では意識していなかっただろうが、彼らは「新・連合赤軍」ともいうべき思想を持っていた。
知的な若者が堕ち込んだ「閉塞感」の暗い闇。そこから彼らは、どうあがいても脱出できなかった。
彼らは、まるで蟻地獄のなかで足掻いていた。--そこに救済者が現れたのだ。
彼は、人懐こい笑みを浮かべて、「キミを待っていた」と、いう。
ときに、社会から排除されているという疎外感に負かされていたのだ。
秀才がなぜ?と思うだろう。秀才だからこそ「閉塞感」を持ってしまうのだ。
バカは現状を不満に思わない。優秀だからこそオウム真理教に興味を持ったのだ。
予算も時間も制約はなかった。研究に没頭させて貰えた。だから猛毒サリンの生成に成功できた。
ここでは「閉塞感」を感じることはなかった。
麻原彰晃とともに死刑に処された幹部たちは、社会に「閉塞感」を感じていた。
それは、いずれにしても「死」とともに終わるものだ。
なにも犯罪を犯さなくてもいずれ解決できるのだ。
彼らはあまりにも性急すぎたと思う。
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