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衝撃のドクターキリコ事件、その憂鬱

  • 執筆者の写真: 高下 豊光
    高下 豊光
  • 2021年10月29日
  • 読了時間: 3分

1998年12月12日午後1時頃、被害者の女性(当時24歳)宅に青酸カリのカプセルが配達され、それを服用した女性が死亡した。


通報を受けた警察が送り主を調べたところ、架空の住所からであった。また配達伝票には携帯電話の番号があり、電話したところ男性が出て、「女性が死んだら自分も死ぬ」と答えた(その時点では被害者の女性はまだ危篤状態であった)。12月15日に女性が死亡。また、男性も青酸カリを飲んで自殺した。

男性は、「青酸カリの保管委託」という名目で被害者の女性を含む数人に青酸カリを送付していた。保管委託契約が終了する5年後には青酸カリを男性に返却するという契約であった。

自殺の幇助のためではなく、自殺を思いとどまらせるお守りとして送付していたとされる。被害者の女性は送付された青酸カリを服用して自殺を試み、死に至った。

翌1999年2月12日、警視庁高井戸警察署は男性を自殺幇助の疑いで被疑者死亡のまま書類送検した。

送り主の男性は北海道在住で、東京都に住む主婦の女性(当時29歳)が運営していた「安楽死」を取り扱ったウェブサイトに設置された掲示板に「専属医」として招かれ、「ドクター・キリコ」というハンドルネームで参加していた。男性自身、薬学関係に詳しく、掲示板へ書き込みにくる「自殺志願者」に対して、「診察」として相談を受けていた。


被害者となった女性は、ウェブサイト開設者の知人の知人であり、青酸カリを送付した男性をインターネット経由ではなく、電話での口コミによって紹介を受けた。

このごろ、インターネットが普及して、犯罪や集団自殺を企画し、仲間を募集するという弊害が出現していた。


警察もこのような風潮に目を光らせてはいた。なかでも練炭や排気ガスを自動車内に充満させ集団自殺をはかる事件が多発するようになった。このドクターキリコ事件は、そんな世間から指弾されるような事件として注目されたのだ。


マスコミは、遠距離心中事件として興味本位な報道一色になった。ところが、この掲示板を開設した管理者の女性の発言から、青酸カリによる心中などではなく、「草壁竜次」なる薬剤師は、うつ症状に悩む人が、死なないための「お守り」として青酸カリを配布していたことが判明した。その時点から報道は一挙にトーンダウンしていく。

先日、難病の筋萎縮症に苦しむ女性を嘱託殺人したという罪で二人の医師が逮捕された。わが国では、尊厳死は認められていない。この事件に触れてドクターキリコ事件を思い出した。


その掲示板は、「安楽死狂会」なるタイトルが付けられていた。草壁竜次は、豊富な薬剤師の知識を有し、相談役を担当していた。彼自身も、果てしない自殺願望に苛まれていたのだ。

わが国では、誰も真面目に尊厳死を議論しようと考えない。国会でも審議を始めるべきであったのだが、機会を逸してしまったのだ。今回の嘱託殺人は、裁判が長引くだろう。極端な高齢化が押し寄せている。そろそろ、認めるべきではないだろうか。


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