留学生「服部君射殺事件」を思う
- 高下 豊光
- 2021年12月13日
- 読了時間: 2分

ハローウインの仮装行列で渋谷が大騒ぎになったそうだ。
毎年繰り返される狂態をみていると、米国で発生した服部君射殺事件を思い出す。
服部剛丈さん(当時16歳)は、1992年米ルイジアナ州バトンルージュで留学中、ハロウィーンパーティーの会場と勘違いして入った住宅の敷地で、住人の男性に拳銃で胸を撃たれ死亡した。
「フリーズ(動くな)」と警告を受けたが、意味が分からず近づいたとされている。
犯人の男性は刑事裁判で無罪になったが、民事裁判では約65万ドルの賠償を命じられた。
報道では、「フリーズ(止まれ!)」と「プリーズ(どうぞ)」を聞き間違えた服部君は、その場に立ち止まらずに近寄ったために発砲されたという。このニュースは国内で大きく報じられ、米国の銃社会を非難する論調で沸騰したのだ。(もちろん日本国内だけ)
この警告の言葉「フリーズ」を知らない日本人はほとんどだった。
私には、銃社会の深刻な問題よりも、英語(口語表現)を理解できない日本人のほうが深刻な問題を抱えていると思ったのを覚えている。
これは日本の"英語教育"に重大な欠陥があるからではないだろうか。中学生からスタートしても高校を含めて丸6年間を勉強に費やすのだ。でも、ほとんど口語を理解できないのだ。
この「フリーズ」は、直訳すれば「凍り付く」という意味になる。それが口語に転じて「そこを動くな!」となる。
高校生では口語表現こそ学習すべきだと思う。使えない英語を勉強するのは、大学の英文科だけで良いと思う。現代のアメリカ人が、日常よく使う生きた英語を身に付けないと、まったくどうにもならないではないか。
今の英語教育はシェイクスピアを研究するためには役に立つだろう。
15,16世紀の言葉を習って何をどうするつもりなのか。
これは、まるで平安時代の日本語を習っているようなものだ。
今の英語教育のほかに、現代アメリカ口語の課程を作るべきなのだ。
それとも、これはGHQによる日本人愚民化政策が生きているのか。
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