明治の富国強兵政策の犠牲者
- 高下 豊光
- 2021年10月22日
- 読了時間: 3分
明治日本の富国強兵政策
---「ああ、野麦峠」犠牲になった女工たち

1979年製作/日本 原題:Nomugi Pass 配給:東宝
監督:山本薩夫
主演:大竹しのぶ
明治中期、長野県岡谷市にある製系工場に、岐阜県飛騨地方から野麦峠を越えて働きに出た少女達の姿を描く。
昭和43年に発表された山本茂実の同名小説を映画化した。
主演の大竹しのぶは、その演技を絶賛された。
作品は実話に基づく感動作である。
舞台は、明治36年2月の信州諏訪の製紙工場。
飛騨から野麦峠を超え信州諏訪に向かう少女たちの集団があった。 毎年、わずかな契約金で100名以上が製糸工場に働きに出ていた。
これは、正しくは、少女の身売りであった。
みね(大竹しのぶ)、はな(友里千賀子)、きく(古手川祐子)、とき(浅野亜子)、河合村の4人も一行に加わっていた。 途中、無口なゆき(原田美枝子)も仲間に加わる。
工場勤務から3年後、みねとゆきの二人は社長の藤吉(三国連太郎)から一目置かれるほどの工女に成長する。 跡取り息子の春夫(森次晃嗣)からも好かれていた。しかし、ときとはなは劣等組で、とうとうときは自殺した。 やがて、正月が来ると各自それぞれ一年間の給金を持ち家に帰る。しかし、身寄りのないゆきは帰るところがない。 みねへのライバル心もあり、ゆきは息子の春夫に身をまかせ正月を終える。
ある日、金庫の金が紛失し新吉(山本亘)に嫌疑が掛けられる。新吉を慕うきくは無実を訴えるが検番頭に手籠めにされる。 自暴自棄になったきくは小屋に火をつけ、新吉とともに身投げするのだ。
旧盆で工場が休みになった。はなは工女たち唯一の理解者・音松(赤松真人)と結ばれる。 ゆきは春夫の子を身ごもっていた。だが、春夫には許嫁がいた。妾になるのが嫌だったゆきは流産してしまうのであった。
明治41年――不況でアメリカへの生糸輸出がストップした。
日増しに悪化する労働条件の中、みねは結核で倒れてしまう。知らせを受けた兄の辰次郎(地井武男)は夜を徹して駆けつけた。
手当てもされず、物置小屋に放り出されて衰弱しきったみねは、生死の境を彷徨っていた。
兄・辰次郎は、弱りはてたみねを背負い、ひたすら故郷に向かうのである。 季節は秋であった。美しい紅葉に野麦峠は包まれてた。 「兄さ、飛騨が見える」「飛騨が見える」
それが、みねの最後の言葉だった---
明治のこの時代から、格差社会は存在した。学校で、「女工哀史」という言葉を習った。
戦後の日本は、驚異的な経済発展を遂げた。
だが、いまや、
非正規雇用者は、なんと4割を超える。派遣やバイト社員は、社会の最下層に漂っている。
コロナショックで国から休業要請を受け、派遣社員は、収入を絶たれてしまった。
何も変わってはいないのだ。この映画からぜひ学んで欲しい。
公的医療保険の原点が、労働者を守るためではなく、現実はブルジョア階級を守るためにあったと分かる。

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