昆虫食が日常になる日
- 高下 豊光
- 2021年12月14日
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2050年、世界の人口は約100億人に迫るといわれている。

現在の人口が約75億人であることを考えると、30年あまりで25億人も増加すると予測されているのだ。
そんな未来を見据えたときに浮かび上がってくるのが「食糧難問題」である。
農地拡大に伴う森林伐採や水資源の大量使用により、地球の環境は刻一刻と悪化している
さらには温暖化による気候変動も関係し、急激な人口増加をカバーするだけの食糧生産は困難なものとして見られているのが現実だ。
こうした背景から、国際連合食糧農業機関(以下、FAO)は2013年、「昆虫が今後の食糧になり得る」というレポートを発表した。
しかし、昆虫を人の食料として考える「昆虫食」は、いまだ好奇の目で見られてしまい、多くの人がそこに眠る無限の可能性に気がついていない。
昆虫食については、1998年に多摩動物公園内にある昆虫館で開催されていた「昆虫食展」がある。
アフリカなどではおいしそうに芋虫を食べていて、昆虫の発生時期になると村中で採集され、市場に持っていくこともあるという。
私の友人がトノサマバッタを捕まえて食べてみたらしい。それは、油で揚げたものだが、味も食感もエビに似ていたそうだ。とくにモモ肉とムネ肉が非常に発達していて、その部位は感動するくらいにおいしかったと云っておる。
ここで、英紙「ザ・デイリー・ミラー」を覗いてみよう。
この人口増の予測通りなら、食糧や資源を奪い合って、戦争状態になっても不思議ではない。

1972年10月13日(金)にその悲劇は起きた。ウルグアイ空軍571便がアンデス山脈に墜落した。飛行機に乗っていたのは、試合のためアルゼンチンからチリへ向かうウルグアイのラグビーチームとその家族や知人を合わせた一行40名と乗員5名の計45名だった。
ラグビーチームは、アンデス山脈に不時着し、死んだ仲間を食して生き延び、生還を果たしたのだ。この驚愕の飛行機遭難事故は後に映画化されている。
英紙の記事に戻るが、多くの人が飢餓に苦しむようになり、死人の肉を平気で食べるようになるという。
記事は、人間性と社会全体がカニバリズムを受け入れる方向へと変貌を遂げるのではないかと推測している。
考えたくもない未来だ。昆虫食ならまだ許せるが、人肉食までとなると、世も末ではあるまいか。
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