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日本村社会、鬱屈する同調圧力

  • 執筆者の写真: 高下 豊光
    高下 豊光
  • 2021年12月22日
  • 読了時間: 3分

「外出・接触8割減」のスローガンのもとはじまった、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「自粛」要請。


市民社会はその要請に応じ、街は人どおりが少なく閑散としており、閉ざされた店の入口には「一時休業」の張り紙が目立つ。


現在のところ、政府や自治体から発信されているのは、あくまで「自粛要請」というお願いベースの申し出に過ぎないものである。

「お願い」である以上、補償はセットではない。生活権を奪われては生きて行けない。

本来ならばこちらにはその申し出を断る自由があるはずなのに、そのお願いを聞き入れなかった者は、まるで社会の法秩序を逸脱した犯罪者・極悪人であるかのようにみなされ、市民社会から「私刑」される——


そのような相互監視的な「同調圧力」によって、緊迫感と閉塞感が高まりつつあると云える。

コロナウイルスに頭をやられると、発熱はしないし、陽性にもならない。だが、確実に自警団的発想になっていく。

新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急事態宣言が出ている中、スポーツクラブが営業していることに腹をたて、入口を蹴って壊したとして男が逮捕された。


「緊急事態宣言が出ているのに営業していて、頭に来た。店員に文句を言ってやろうと思ったのに出てこないからドアを蹴った」と供述している。

海外に比べて、自粛のお願いで事態が収束していくなら、歓迎すべきだと思う。

この「同調圧力」は、果たして歓迎すべきなのだろうか。


政府の自粛要請を受け入れない「不届き者」を制裁せんと、正義の心に燃える人びとはしばしば過激な暴力をともなうまでに制裁行為をエスカレートさせている。時代劇ドラマで一世を風靡した「必殺 仕事人」を店長は思い出した。

他方では「感染リスクが高い」と目されるような職業に従事する親を持つ子どもを学校に入れなかったり、感染者の個人情報を晒しあげて村八分にするかのような手段に訴え出たりといった、他者の人権を侵害しかねないようなコロナ差別という事例も見られるようになった。

世間は、緊急事態宣言に乗じて、いわば「コロナ自警団」「コロナ八分」が台頭する様相を呈してきている。

愛媛県新居浜市の市立小学校が新型コロナウイルスの感染を防ぐ目的で、東京や大阪を行き来する長距離トラック運転手の2世帯に、子どもを登校させないよう求めていたことがわかった。新1年生を含む子ども3人は体調に問題はなかったが、8日の入学式と始業式を欠席した。高橋良光教育長は「市教育委員会で感染防止への統一した考えが共有できていなかった。子どもたちやご家族、関係者にご迷惑をかけた」と謝罪した。

京都府は8日、同府城陽市の住宅の壁などで、新型コロナウイルスの新たな感染者として実在するかどうか不明の個人名が記された複数の張り紙が見つかったと明らかにしている。悪質な人権侵害事案とみており「誹謗中傷は絶対にしないで」と呼び掛けている。

だが、市民の「他罰感情」を煽ったのは、自治体のパチンコ業者に対する誤った政策だと思う。

この機に、旧・日本社会党と結びつきが強かった遊技業者をつぶそうと画策したのかと店長は邪推している。

自粛ポリスは、なぜ生まれたのか。ここでは脳生理学の側面から考察したい。

彼らの脳内で、何が起きているのだろうか。自粛を促す行為を続けると、脳内物質エンドルフィンが分泌される。

つまり、幸福感が脳内で拡散していくらしいのだ。

それは、ギャンブルでの射幸心とは比較にならないほどだと云われる。

競馬がそれほど売り上げに影響しないのは、オンライン投票が整備されているせいだ。

自粛自警団に加担することで、脳内に湧き上がる正義感と幸福感。

これは市民の「同調圧力」どころではない。

 
 
 

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