日本型経営「ミネベアの軌跡」
- 高下 豊光
- 2021年10月4日
- 読了時間: 2分
2011年にタイを襲った50年に1度の大雨を覚えているだろうか。
大雨の被害は甚大で国土の三分の一が水没する事態となったのだ。
なにしろ首都バンコクですらマンションからボートを使って出入りする状況であった。

タイ洪水(2011年)は、2011年のモンスーン期にタイで起こった洪水であった。
チャオプラヤー川流域で甚大な被害を出し、メコン川周辺でも洪水が発生した。7月から始まり3か月以上続いた洪水は、2011年11月5日の時点で446人が死亡し230万人が影響を受けたと見られている。
また被害総額は1567億バーツ(4,000億円弱)に上る。
この洪水を社員総出で被害を防いだ日系企業があった。日本では報道されていなかったが、バンコクから北に位置するところに世界的なベアリングメーカーのミネベアの主力工場があった。
洪水がこの工場に押し寄せることが確実となっていた。その到達までおよそ1週間であった。
日本人の責任者は、工場の周囲に堤防を作り上げることを決意するのだ。その堤防の高さは1.8㍍である。
しかも長さは周囲5㍍という巨大なものであった。現地の社員に協力を要請したが、なんということか、女性社員まで手にスコップを持って作業に加わったという。
その姿を見て責任者は涙が出たという。女子社員までが志願して駆けつけてくれた。彼は、普段から従業員には家族のように接してきたという。だから、全社員が会社に対して家族同然のように思ってくれていた。思わず涙が出ていたのだ。
洪水は、堤防が完成したその翌日に工場に到達している。
これは「ミネベアの軌跡」と呼ばれるエピソードである。
工場を救ったのは、現地社員の総出の協力であった。
20年にわたり日本型家族経営が確かにバンコクに存在したのである。

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