日本を実質支配する官僚たちへの憂鬱
- 高下 豊光

- 2021年9月19日
- 読了時間: 2分
日本国の主権は国民にあると憲法は宣言している。
だが、それはあくまで建前であって、実質は違っている。

国民は、薄々気が付いていると思うが、実質的な主権は官僚たちが握っているのだ。
ざっと、その歴史を振り返ってみると、明治維新まで遡る。
徳川幕府を倒した薩長勢力は、藩閥政府を打ち立てる。この薩長派閥は特権階級を形成した。
高等文官試験(現在の国家公務員上級試験)を潜りぬけた秀才たちは、この明治政府の使い走りであった。
戦後になって、GHQは日本占領を容易く行うために、この官僚たちを残すことを考えた。
財閥解体によって、特権階級は解散させられた。そして新たな特権階級が生まれたのである。
その階級こそ、現在に続く官僚たちなのであった。
彼らが秀才であることは、国民の誰もが認めるだろう。
彼ら自身が「オレたちは凡庸な国民とは違うのだ」といったエリート意識を持っているとすれば、凡庸な国民としては困るのだ。
元・通産省エリートの老人は、池袋でプリウスを暴走させ、母娘二人を轢き殺した。
彼は、逮捕されなかったことで「上級国民」だからと非難を浴びた。
さらに国民の癪に障る官僚たちの失敗がある。消えた年金問題である。凡庸な国民の税金は、「お上」なのだから自由に使っても良いとでも思いあがっていたとしか思われない。まさに「特権階級」である。
本当に主権は国民に委ねられているのだろうか。
主権は国家公務員上級試験に合格したエリートにのみ委ねられているのだろうか。
東大出身だからといって、賢いとは限らない。安倍元首相に、効果のない布マスクの配布を進言したのは東大出の側近であった。アベノマスクの発案者である。すぐに受け入れた安倍元首相もその程度だったのだろう。やれやれ。

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