敵なしカレーハウスCoCo壱番屋の強み
- 高下 豊光
- 2021年11月16日
- 読了時間: 3分
株式会社壱番屋は、カレーハウスCoCo壱番屋を運営する日本最大のカレーライス専門店チェーンである。

壱番屋には、強力なライバルがどういうわけか出現しない。
創業以来、カレーライス専門店チェーンとして、盤石な首位キープを保っている。
その秘密は、ハウス食品グループ本社の連結子会社にあるのだ。それを検証してみたい。
黄色い看板と「ココイチ」の愛称でおなじみのカレーチェーン店。
名古屋市内で妻と喫茶店を営んでいた創業者の宗次徳二氏(70)=現特別顧問=が客に好評だったカレーライスで勝負しようと、1978年、愛知県西枇杷島町(現清須市)に専門店を出店したのが始まりだ。
店名に「カレーならここが一番や!」という自信を込めた。
今でこそ辛さや約40種のトッピングを自由に組み合わせるスタイルが定着したが、当初はカツカレーやハンバーグカレーなどメニューは数種類だった。
プロの料理人ではなかったため、カツがこげたりカレーがぬるかったりという失敗も多かったという。
だが、味と接客には自信があった。毎日食べても飽きない味を追求してきた。
「辛めがいい」「カツもコロッケも乗せてほしい」などと客の好みに応えていくうちにトッピングスタイルが生まれたという。
ココイチの価格戦略は、業界では「トッピング積み上げ方式」と呼ばれるものだ。これは、ベースとなるポークやビーフなどの安価なカレーに、利益率の高いトッピングを積み上げることで、カレー単価の増加を狙う方式である。
そもそも、ココイチのカレー自体の味は、特筆して美味しかったり、独自性があるわけではない。
まさに、家庭の素朴な味をイメージした日本人が食べ慣れてる普通のカレーである。
強みとなったのが、まさにトッピングだ。
ココイチといえば、ご飯の量やカレーソースの辛さに加え、カツやチーズ、スクランブルエッグなどの豊富なトッピングを選び、自分好みの組み合わせで食べる仕組みが人気を呼んだ。
「1億通り」と呼ばれるトッピングの組み合わせを作り出したことで、他のカレーチェーンにはない個性を生み、結果として、多くのファンを獲得することにつながったのだ。
加えて、カレーとトッピングとを別建てにしていることは、消費者に対する心理的なメリットもある。
ベースとなるカレーだけでなく、トッピングもほぼ毎年のペースで値上げが行われているが、消費者にとって一連の値上げ幅が非常に小さく映るのだ。
価格戦略以外のココイチの強みとして挙げられるのが、独自の「ブルームシステム」と呼ばれる独立支援制度がある。これは同社の社員をランク付けし、経営スキルを身につけるなどして一定のランクに達した社員が、自身のチェーン店を持つことができるという、“暖簾分け”のような仕組みだ。
つまり、ココイチの社員は土地や資金がなくても努力次第で“一国一城の主”になれる。もちろんその分、人件費は高騰するが、社員のやる気は意外にも売り上げに寄与するもので、これがココイチの店舗拡大に一役買ったと言える。
加えて、ハウス食品とは資本提携関係にある。これが食材や香辛料などの安定した供給を支えている。
それが競合各社とは違う点である。ココイチの強みとして、この安定供給がある限り、首位の位置は揺るがないだろう。

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