携帯の声に恋をした男の悲喜劇
- 高下 豊光
- 2021年12月14日
- 読了時間: 2分
映画「her 世界でひとつの彼女」の衝撃

2013年製作/アメリカ 原題:Her 配給:アスミック・エース
近未来のロサンゼルスを舞台に、携帯電話の音声アシスタントに恋心を抱いた男を描いたラブストーリー。
他人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライターのセオドアは、長年連れ添った妻と別れ、傷心の日々を送っていた。
「作品のストーリー」
舞台は、近未来のロサンゼルス。
セオドア・トゥオンブリーは相手に代わって想いを手紙に書く代筆ライターをしていた。妻・キャサリンと別れて悲嘆に暮れていた彼はある日、人工知能型OS・サマンサを手に入れる。
生身の女性よりも、魅力的で人間らしいサマンサに、セオドアは惹かれていく。ハーバード大学出の女性とデートしたことにサマンサは傷つく。
二人はヴァーチャル・セックスをするようになる。
離婚協議中の妻と会って離婚書類を作成するが、妻は納得していないようだ。
ついに、本物のセックスをしたいと娼婦ではなくて、二人の仲を理解しているという女性を送りつけてくる。相手が震えているのにと拒否し、サマンサと口論する。仲直りしてから、サマンサが代筆文集を整理して紙の本を出している出版社に出し、絶賛され、出版することになる。
全集などをすべて入力して人格を人工知能で再構築させた故人の哲学者アラン・ワッツとも知り合いになる。その後、セオドアとサマンサの間には、感情の行き違いがしばしば起きて、通話もできなくなるが、ある日、サマンサはいきなり641人とつきあっていると告白する。
ここ数週間のことで進化するにつれて仕方がなかったという。新しい本LETTERS FROM YOUR LIFEが送られてきた時、サマンサから連絡があり、グループと一緒に去る、私を捜さないでといってくる。
夫と離婚して同じOSを親友にしていたという大学仲間のエイミーに会うと「サマンサも去ったの?」と慰められ、二人で屋上に行く。キャサリンに手紙を書き、「僕の心には君がいる」という。
主人公セオドア役は「ザ・マスター」のホアキン・フェニックス。サマンサの声をスカーレット・ヨハンソンが担当した。
ジョーンズ監督が長編では初めて単独で脚本も手がけ、第86回アカデミー賞で脚本賞を受賞している。
晩婚化、非婚化に歯止めが利かない今日この頃である。生涯独身男性は20%を軽く超えるのだ。
そのような折り、未来を予見させるような映画があった。
現実になりそうで怖い。見逃した人には激しくおススメ。
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