女王陛下の銀行と謳われた名門銀行
- 高下 豊光
- 2021年10月30日
- 読了時間: 3分
女王陛下の銀行を潰した男。
20世紀最大の金融サスペンスの憂鬱。

1995年2月27日、全世界に衝撃のニュースが流れた。
ニック・リーソン(ユアン・マクレガー)はイギリスの名門ベアリングズ銀行に就職しインドネシアのジャカルタに配属され張り切って仕事をしていた。
そんな時ロンドンから美しいアシスタントのリサが派遣され2人は恋に落ち、やがて結婚する。
新婚生活は次の赴任地シンガポールで始まりニックは先物取引の責任者に抜擢され念願のトレーダーとなり利益をあげていった。
ある日部下のミスで損失を出してしまい、取り戻そうとしたが損失は更に膨らんでしまった。
上司に嘘をつき架空口座に損失を隠す。損失を取り戻そうとしたニックは無断で客の金を使い取引をしてしまう。
注文が無いのに高額の取引を繰り返し客の金だけでは資金が足りなくなり本店に嘘をついて送金をさせる。
その資金を元手に更にリスクの高いオプション取引をはじめ、運良くスイスの大口顧客をつかみ莫大な利益をあげ、本店での評価が高まり高額なボーナスも手に入れる。
しかしスイスの大口顧客から無理な注文が入り顧客を失うのを恐れ強気の勝負が災いして顧客を失ってしまい再び架空口座に損失を隠し始める。
その後も本店に嘘をつき本店からの送金を続けさせ更に損失が膨らんでいく。
以上は作品のストーリーである。
ニック・リーソンは、実在のトレーダーで辣腕の一人であった。彼が不運だったのは、日本を襲った阪神・淡路大震災によって日経平均が乱高下したことであった。
結果的に女王陛下の銀行と謳われた名門銀行「ベアリングズ銀行」を破たんさせてしまう。1995年1月17日、阪神・淡路大震災で日本市場が暴落した時、リーソンは一日で5,000万ポンドもの損失を出した。
その後持ち直すかと見られた相場も下げ止まらず、損失を一気に取り返そうと賭けに出たリーソンの思惑は外れ、架空取引口座88888の損金は加速度的に膨れ上がる。2月24日(誕生日前の金曜日)、ついに辞表を提出しシンガポールからボルネオに逃亡する。
事件が明るみに出てみると、損失は約8.6億ポンド(約1,380億円)、当時のベアリングス銀行の自己資本金を超過する莫大な額に膨れ上がっていた。関係者は善後策を協議するものの、ベアリングズ銀行の建て玉の引き受け手はなく、週明け2月27日イングランド銀行はベアリングス銀行の再建断念を発表した。
妻とともにアブダビ経由フランクフルト行きの飛行機で逃亡したリーソンは、2月27日フランクフルトで逮捕後シンガポールに送還。同年12月、懲役6年半の実刑判決を受けたのだ。
金融・投資に関心のある人には、この映画を観て欲しい。

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