別府3億円保険金殺人の衝撃
- 高下 豊光
- 2021年12月24日
- 読了時間: 2分
1982年公開の映画「疑惑」松本清張原作の同名小説を映画化した作品。
この小説は、別府3億円保険金殺人を題材にしている。

疑惑を向けられた「荒木虎美」は、保険金詐取のために妻子を車ごと海に沈めたのだ。
1974年11月17日ごろ大分県別府市の国際観光港の海に1家4人が乗った車が転落する。
「荒木虎美」は脱出して岸に泳ぎ着いた。不幸にも家族3人は死亡する。
当初は事故と思われたのだが、その後、亡くなった3人に3億1千万円という多額の保険金が掛けられていたことが判明する。
週刊誌の疑惑報道に「荒木虎美」の汚れ切った過去が暴かれる。
なんと、彼は自宅に放火して、保険金詐欺で逮捕されていた。
さらに何度も恐喝や傷害罪で服役していたという。
また海で死んだ子供は実子ではなかった。
この傷害で服役中に保険を掛けて妻子を殺害するというアイデアを考えついたらしい。
そして、言葉巧みに母子家庭に収まっていたのだ。生まれついての悪童である。
1980年3月28日、大分地裁は「荒木虎美」に死刑を言い渡した。
やがて彼は最高裁に上告する。ただし、体調を崩し1989年1月13日に癌性腹膜炎で死亡した。
人間には生まれついての、罪深い業を背負ったどうしようもない生き方を好んでやる人がいるものだ。
松本清張の小説でも、また映画でもよい。雨の日には、この罪深い物語に耽溺してみよう。
いかに自分自身が幸せな存在か、身に染みるに違いない。
見逃した人には激しくおススメ。。
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