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京都介護殺人の悲劇的な展開

  • 執筆者の写真: 高下 豊光
    高下 豊光
  • 2021年12月24日
  • 読了時間: 2分

驚愕の元ネタが、地裁が涙にくれたという殺人事件の裁判であった。


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事件は2006年京都で発生した。桂川の遊歩道だ。

当時54歳の息子は、認知症の86歳の母親を介護していた。そのために退職していた息子は、次第に困窮していく。


息子は、母親に伝えるのだ。『母ちゃん、すまん、もう終わりにしよう--もう、あかん』


息子は、母を殺して自分も死ぬつもりだった。


『そうか--いっしょやで、お前といっしょや』と、承諾していた。


ところが、母親を絞め殺した息子は自分では死ぬことができなかった。


法廷では、息子の壮絶な介護生活が明らかにされた。

親子は、生活保護申請も許可されなかったのだ。

裁判では、『母の命を奪ってしまったが、もう一度、母の子に生まれたい』との供述が弁護士から紹介された。


法廷全体が、涙にくれた。生活保護制度の硬直した運用が問題にもされた。

裁判長は、言葉を詰まらせながら「執行猶予」を下したという。

裁判の正式名称は「京都認知症母親殺害心中未遂事件」であった。

この事件には、悲しむべき後日談がある。

息子が、この裁判の数年後に、琵琶湖に身投げしたのである。

知らせを聞いた当時の裁判長は、驚いて声も出なかったという。


母親のためにも、息子には余生を全うして欲しかったのだ。そのための温情判決であった。

日本では、加速度的に少子高齢化が深耕している。家族の介護問題も深刻になっている。

いずれ、国会で高齢者の「尊厳死」が審議される日が来るだろう。

 
 
 

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