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世間を震撼させた耐震偽装事件

  • 執筆者の写真: 高下 豊光
    高下 豊光
  • 2021年12月21日
  • 読了時間: 2分

2005年11月、国土交通省は「グランドステージ川崎大師」など首都圏のマンション二物件の実名をあげ、「建築基準法で求められる耐震強度の30%しか満たしておらず、震度5強の地震で倒壊するおそれがある」と、危険な状態にあることを説明した。


これが姉歯元建築士に端を発する耐震偽装事件のスタートだった。

その後も数多くのマンションやホテル、オフィスビルなどの耐震偽装が明らかとなり、自分の家族や知人が住んでいるマンションは大丈夫なのかという不安が全国に広がった。


ほとんどの購入者が耐震強度を調べるまでもなく、大丈夫だと思い込んでいた耐震性が問題になるとは、と晴天の霹靂だった。事件は世間を震撼させた。

日本では震度6以上の地震が阪神淡路大震災から2007年の12年間で15回も起こっている。

つまり1年に1回以上のペースで姉歯マンションが壊れていても不思議ではないのであった。


当時のマスコミは耐震偽装マンションのことを「殺人マンション」と表現したが、プロの建築家や施工者がきちんとしてくれていると信頼していた「安全性」が根本的に覆された事実が、世間に憤りだけでなく、恐怖も与えたのだ。

マンションの年間新築数が約30万戸にものぼることを考えると、耐震偽装問題が大きな社会問題に発展していったのは当然であった。


耐震偽装事件は当初、マンションの事業主であるヒューザー、工事施工会社の木村建設、検査機関であるイーホームズ、構造計算を担当した姉歯建築設計事務所の組織ぐるみの犯行が、建築業界の隠蔽体質のなかで行なわれたのではないかと考えられた。

しかし、その後の捜査によって組織ぐるみの犯行ではなく、「姉歯秀次」という一建築士の仕業だったという方向に収束していった。

そして、1審の東京地裁は2006年12月、姉歯元建築士に懲役5年、罰金180万円という判決が下された。

また一方、この事件がもたらしたことは悪いことばかりではなかったともいえる。それは、それまで「自分の住んでいる建物は耐震基準を満たしているか」などと思いもしなかった多くの人々が、耐震性に関心を持つようになったことにある。

さらには、「構造計算」という専門家の間だけで使われていた専門用語を一般の人も広く知るようになったことである。

 
 
 

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