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ビジネス書より寛文事件を読むべし

  • 執筆者の写真: 高下 豊光
    高下 豊光
  • 2021年10月1日
  • 読了時間: 2分

物語の軸となるモチーフは四代将軍、徳川家綱の時代に起こった寛文事件といわれる伊達藩のお家騒動である。

伊達家お家騒動は、一般的には次のように知られている。 政宗の孫に当たる仙台藩三代藩主、伊達綱宗は遊興放蕩三昧のため、叔父の一関藩主、伊達宗勝がこれを諫めようと幕府に訴え出る。

その結果、綱宗は幕府から隠居を命ぜられ、二歳になる綱宗の子、亀千代が仙台藩の当主となる。

宗勝は亀千代の後見となり藩の実権を握るが、亀千代に毒が盛られるなどの事件が起こり、藩内は宗勝派と宗勝対して不満を持つものたちに二分される。


反宗勝派の伊達安芸(あき)や茂庭周防らは幕府に伊達藩の混乱の状況を上訴。 審理は、幕府の大老、酒井雅楽頭(うたのかみ)邸で行われたが、この場で宗勝派の伊達藩家老、原田甲斐宗輔(かいむねすけ)が伊達安芸ら数名に斬りつけ殺害。

また、原田甲斐自身も酒井家の家臣に斬られ、亡くなってしまう。 この事件で原田甲斐一家の係累は切腹の上断絶となり、宗勝は他家御預けの処分を受け伊達家六十二万石は安泰となった。

本作の主人公、原田甲斐は伊達宗勝と幕府の大老酒井雅楽頭が伊達藩を二分して乗っ取ろうとする密謀を防ぐために、敢えて宗勝の側に就いたように振る舞う。

それは、信頼を得、良好な関係を築いてきた友人たちすら離反してしまう苛烈な行いだった。 甲斐と敵対する酒井雅楽頭と伊達宗勝。 甲斐を疑う者と信じる者。そして、暗躍する浪人一派。 様々な立場、階層の男と女たちが登場する。

終盤、伊達藩は無事に守ることができたが、原田甲斐一族に下された非情な運命。 世の中には、いかんともしがたい不条理なことがある。 そうしたことに、立ち向かうというより、抗うように生きざるを得なかった主人公の強さや哀しさ。 このあたり、主人公が実に魅力的に描かれている。

心に残る台詞を書き記す。

「人間というものは一方から好かれればまた一方から憎まれる。好評と悪評は必ずついて回るものだ。あらゆる人間に好かれ、少しも悪評がないというのは、そいつが狡猾に過ぎないことの証拠だ」

100冊の自己啓発書より1冊の山本周五郎である。ぜひ、一読をおススメしたい。

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