バブル経済の悪夢、名門山一證券破綻
- 高下 豊光
- 2021年9月20日
- 読了時間: 2分
1997年11月24日、野沢正平社長は苦渋に充ちた表情で報道陣を前にしていた。
談話の発表は、山一證券が自主廃業にむけて営業を休止するという衝撃的な内容であった。

1.総会屋への利益供与事件による強制捜査で社会的信用が悪化した。
2.多額の簿外債務が判明した。
3.株価急落による信用不安増大。
「隠し赤字」の存在を知っていながら隠し続けてきた歴代の経営者たち。
名門証券会社はこうして終わりを告げた。
バブル経済を象徴するような幕引きであった。
人の好さそうな野沢正平社長は、上層部から最後の社長職を押し付けられたのだろう。
「もう隠しきれない、社長には野平君でも充てておけ」そんな会話が交わされたのではあるまいか。
会見の終わりに、野沢社長はイスを立ち「わたしらが悪いので、社員は悪くはありません。一人でも多くの社員が再就職できるように、この場を借りてお願いします、ご協力をお願いします」と、涙声で訴えた。
山一證券の経営実態は、公表されてきたのよりもはるかに悪いものであった。
7500人の社員たちは、自分たちの置かれた危機的状況を誰一人知らされていなかったという。
若い世代の社員たちには、幾多の引き取り手もあっただろう。だが中高年の管理職ともなればそう簡単にはいかない。
ましてや養うべき家族がいて、家のローンでもあった日には、その家を手放しても借金が残る。
別の証券会社の話題になった広告コピーを紹介しておきたい。
「家主でもなく、地主でもない私ですが--でも株主です!」
庶民の株式ブームは、こうして終焉を迎えた。

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