ジョーカーに魅了された変人
- 高下 豊光
- 2021年12月20日
- 読了時間: 3分
2021年10月31日、走行中の京王電車内でその火災は起きた。

男は、ライターオイルを車内にバラまき火をつけたのである。
騒動後に逮捕された「服部恭太容疑者」は、映画ジョーカーに憧れた頭のイカれた男であった。
火災の直前には注意をされて70代男性の胸をナイフで刺していた。
午後8時頃、東京都調布市を走行中の京王線上り特急電車(10両)から、「刃物を持った男がいる」と110番があった。
電車は直後に同市の国領駅で緊急停車。警視庁によると、刃物で右胸を刺された乗客の70歳代男性が意識不明の重体。
男は車内に火をつけ、ほかに10~60歳代の男女16人が煙を吸うなどして病院に搬送された。
「人をいっぱい殺すなら東京がいいと思った」 「ハロウィーンだから電車に人が多くいると思った。京王線は上りのほうが人が多く、走行時間が長いから逃げられないと思い特急を選んだ」 「雑踏より(電車のほうが)確実に殺せると思った。殺せなくて悔しい」 「人を殺して死刑になりたかった」
一方、服部容疑者を撮影した人は―
「震えていた。だけど顔は自信満々にやってやった感もある様子で足組んで、右手にナイフ持って、左手震えながらタバコ吸ってフゥーみたいな」 犯罪心理学者・出口保行さんは、服部容疑者の犯行について、このように分析しています。
「電車内を選んだのは密室で、犯行の確実性を高めるため。犯行時刻とされる10月31日午後8時以降は、選挙で各テレビ局が生放送中。即座に報道されるという事も考慮していたのでは」と。
「非常に計画性が高いということですよね。このような事件というのは、何日間か考えてすぐに実行するというものではなくて、かなり長期間をかけて計画をしていく。どのタイミングでどういうことをすると、自分がしでかしたことが社会の中に浸透していくのか、伝わっていくのかということを十分考えているんです。
もう1つこういう事件を起こす人間の特徴というのは、事件を起こすことだけが目的ではなくて、その事件を計画している間も非常に強い高揚感に包まれています。ぞくぞくするような興奮を味わっているその中で、こういう事件を起こして自分の存在をアピールするというのが、究極の目的になるのだと考えています」
警視庁は、現場で刃渡り約30センチの刃物を持っていた住所・職業不詳で自称・服部恭太容疑者(24)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。調べに「人を殺して死刑になりたかった。(8月の)小田急線の事件を参考にした」と供述している。
動機の一つには、彼の失恋が挙げられる。そもそも、彼はすべての失敗の原因を社会のせいにしている。いったい、どのように育てれば、このようなヘン人が存在するのだろう。
彼は、何をやっても、成就することはなかったと思う。
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