ガラパゴスと化すニッポン経済
- 高下 豊光
- 2021年9月19日
- 読了時間: 3分
スマートフォンの専用アプリを駆使して配車サービスを世界規模で展開する米ウーバー・テクノロジー。タクシー業界は、この「黒船来航」に恐怖心さえ抱いている。

ウーバー・テクノロジーは、「いつでも、どこでも呼べる」という意味で、利用者に利便性を提供する革命児だ。
だが、タクシーとしての規制を受けない自家用車を使ったカーシェアリング(Uber Pop)といったサービスもあり、世界各国でウーバーを提訴する動きが広がっているという側面がある。
わが国でも、タクシー業界にとっては破壊者と映っている。
2009年にIT実業家のトラビス・カラニック氏が創業したウーバーは、翌10年に米サンフランシスコでサービスを開始した。
スマホの普及が追い風となったほか、都市部以外にタクシーやバスなど、公共交通インフラが弱い地方都市などで人気を集め、海外でも徐々に浸透している。
その時価総額は、今や400億ドル(4兆8000億円)を上回り、日本でいえば、パナソニック(3兆8000億円)や日立製作所(4兆4000億円)をしのぐ規模に成長している。恐るべき成長である。
日本にも進出、ウーバージャパンを設立して2014年3月から運用を開始した。
だが、2015年3月、ウーバーが福岡市などで一般ドライバーによる送迎事業「ライドシェア」を実験したところ、国土交通省から中止するよう行政指導が入った。道路運送法上の無許可でタクシー業を行う「白タク」行為の疑いがあると判断されたのだ。
日本ではなぜ、「Uber(ウーバー)」のような配車サービスが米国や英国、あるいは中国のように普及しないのだろうか。
既得権益を守るためにタクシー業界がこの利便性の普及に反対なのである。
だが、すでにUberが普及しているアメリカやヨーロッパにも、タクシー会社はあり、このUberには反対している。反対を受けて、ロンドンでは2015年9月にUberを禁止した。
またドイツをはじめEU諸国でも、禁止の動きが活発化している。しかし、ロンドンでもかなりの勢いで広がったせいで禁止になった。中国でUberと同じ配車アプリを展開する滴滴出行(ディディチューシン)は「Uber China」も買収し、利用者は3億人を超えているそうである。
日本でもUberはサービスを提供しているのだが、苦戦を強いられている。
利便性は、日本では普及しにくい。規制が強すぎるからである。
かつて、楽天がネットで薬品を売り出そうとして許可が下りず苦労した。
こうして、あらゆる業界で参入の壁が立ちはだり、自由な競争が阻害され、技術革新が遅れていく。
最後には、強大な黒船来航に期待する以外に方策がない。日本列島は、ガラパゴス諸島と同じである。
やれやれ、どこへ行く日本。

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