"アマゾン"の陰に大学ベンチャーあり
- 高下 豊光
- 2021年9月23日
- 読了時間: 3分
アマゾンを通販書店に過ぎないと思っている人は、未だ20年前に生きている。
ただし、ここでは、本社がMITの正面にある大学ベンチャーの話である。

Googleは、たった一社で、世界の人工知能研究者・開発者の1割を雇用しているという。
また、アマゾンが世界のインターネットショッピングを支配していることも周知の事実だ。
アマゾンは「Amazon Go」という、世界のコンビニとスーパーマーケットを無人化・AI化するプロジェクトを推進している。
やがて、世界の人口のほとんどが、アマゾンのアカウントで買い物をするようになるかもしれない。ただし、中国の国策企業が大きく立ちはだかる脅威も捨てきれないが。
ほとんど世間に知られていないが、インターネット「そのもの」を支配している、あまり知られていない企業があるのをご存じだろうか。米マサチューセッツ州に本拠を置く「アカマイ・テクノロジーズ社」である。マサチューセッツ工科大学(MIT)のトム・レイトン教授が中心となって1998年に設立した大学ベンチャーで、本社がMITの正面にある。
「誰も知らないインターネット上最大の会社」とも呼ばれ、全世界130箇所に分散したサーバー群を擁し、負荷分散サービスとクラウドセキュリティサービスを展開する。なんと、インターネット通信量の15%から30%はアカマイのサーバーがさばいていると言われる。 この聞き慣れない「アカマイ」は、日本語の「アタマいい」を意味するハワイ語だ(サモアやタヒチでは「アタマイ」と発音)。発音が似ているのは偶然かもしれないが、アカマイのサーバー群はグラフ理論と呼ばれる高度な数学によって最適化されており、たしかにアタマがいい。
このレベルの話題には、とてもついていけないが、かなりの確率で、数学的に最適化されたアカマイのサーバーを経由しているはずである。アカマイは、あなたが「どこ」にいるかを瞬時に判断し、いちばん近くのサーバーへと誘導する。それは、タクシーの配車センターに電話すると、いちばん近くを走っているタクシーを回してくれるが、あれに似ている。そのアカマイのサーバーの数は23万台以上とも言われており、それを数学テクノロジーが支えている点がタクシー配車とは大きく異なるという。 アカマイの起業は、いまや伝説だ。共同設立者の一人、ダニエル・ルウィンは、レイトン教授の大学院生だったが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの際にアメリカン航空11便に搭乗していて命を失った。いわば悲劇の船出となったベンチャーだが、世界のインターネットを事実上「支配」する大企業へと躍進した。 アカマイのような目立たない巨大企業が、誰も知らぬ間に世界を支配している現状がある。
小粒のベンチャー企業が10年程度で世界に君臨する大企業へと急成長する。それが超計算社会の特徴なのだ。しかも、そのような支配者は、Googleやアマゾンのように「有名」にはならず、影で動き続ける。
アカマイは、高度な数学テクノロジーを武器に、影の支配者として第四次産業革命においても中心的な役割を演じ続けると思える。このようなベンチャーに投資するのも手ではないだろうか。グーグルやアマゾンにはもう手遅れだと思う。

アーリーバードのホームページへどうぞ。優位性のあるEAを無料で紹介します。 そのダブルスチール投資法は、こちらから⇒earlybird65.jimdo.com
証拠金以外は無料です。
Comentarios