アップル社を支援したエンジェル投資
- 高下 豊光
- 2022年2月18日
- 読了時間: 3分
成長した現在からは想像も出来ないが、
「とても会社と呼べるものではなかった」という。

これは創業当初のAppleが世間から受けていた評価であった。 今でこそ時価総額2.5兆ドル(約275兆円)になり、 ・Google ・Amazon ・Facebook ・Apple ・Microsoft の頭文字をとり、GAFAMと呼ばれるほど世界を代表する企業になったAppleであるが、 創業当初は文字通り、ひどいものであったという。 ・オフィスは実家のベットルームとガレージ ・営業部隊は2人だけ ・給料をもらっていたのは、創業者の一人であるジョブズの妹とジョブズの友人だけ そんな状態の中でも、エンジニアとして技術力が高かったジョブズは、のちに家庭用パソコンを世に広めるきっかけとなった 「Apple II」を開発した。 「さあ、これを世に広めていこう!」とした矢先、Appleには2つの大きな問題があったのだ。 それは、資金と経営力不足である。 創業したてのスタートアップ企業であるAppleには、製品を作る技術はあっても、 製品の生産を増やし、事業を拡大していくための資金がなかったのだ。 また、今でこそ経営能力が評価されている創業者のジョブズだが、彼は元々、生粋のエンジニアである。 当初のジョブズには今後、事業を拡大し継続させていくための経営能力がなかった。 彼は経営能力どころか、チームをまとめるのすらままならない状況だったらしい。 そんな中、この2つの問題を解決してAppleが世界を代表する企業となるきっかけを作った人物がいたのだ。 その人物は、後に初代Appleの会長となった「マイク・マークラ」である。 元々、米国の半導体メーカーであるインテルで働いていたマークラは、インテルを退社し、悠々自適な生活を送っていた。 彼は、ある人物から依頼を受け、ジョブズが働くガレージを訪問することになる。 そこでジョブズが開発したApple IIを見て、「これこそ、夢を叶えるマシンだ」と、確信する。 そう考えたマークラは、資金が不足していたAppleに9万ドル(約1,000万円)の融資を即決する。 さらに、融資だけではなくビジネスプランを立てるなど、Appleの経営コンサルも行ったのだ。 これをきっかけに、事業はどんどん拡大していく。創業して4年後にAppleは上場、株式を公開することになる。 資金援助を行ったマークラ自身も2億ドル(約220億円)もの利益を手にすることになったのである。 マークラはAppleに1,000万円融資していたので、投資金額の2,000倍もの利益を手にしたことになる。 マークラの投資判断は正しかった。創業当初のAppleへ融資をしたように、スタートアップ企業へ融資をし、 事業を拡大させることで大きなリターンを狙う投資のことを「エンジェル投資」という。
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