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アイリスオーヤマは何故成功したのか

  • 執筆者の写真: 高下 豊光
    高下 豊光
  • 2022年2月9日
  • 読了時間: 3分

1958年、大山ブロー工業所として創業。

80年代にペット用品や収納用品などの製造・販売で躍進し、91年、アイリスオーヤマ株式会社へ社名変更した。


生活者目線で不満や不便を解消する「ユーザーイン」発想で需要を創造している。

アイリスオーヤマは、低価格・高品質に加え、思わず膝を打つ便利機能を備えた「なるほど家電」を展開。

LED電球の大ヒットを足掛かりに、2009年に家電業界へ本格参入した。

家電業界で飛躍する契機となったのは、大阪R&Dセンターの設立だ。


当時、海外メーカーに押されて業績が悪化していた大手家電メーカーは、大規模な人員削減を敢行。早期退職した技術者の海外流出が懸念されていた。折しも家電部門の強化を図っていた同社は、〝日の丸家電〟を支えてきた彼らを日本から手放すのは損失だと考え、技術者の受け入れを積極的に進めたという。

「大手メーカーの開発部門の多くは大阪にあるため、当社も家電の開発拠点を大阪に作りました。そこで様々なメーカーの家電知識を集めて開発を進めたことが大きな財産となっています」(家電開発部・福増一人さん)

最初のヒット家電は、14年発売のノンフライ熱風オーブン。油を使わずにフライ調理でき、後片付けもラクと人気を集めた。

同シリーズはその後もたびたびメディアで取り上げられ、ロングセラー商品となっている。

アイリスオーヤマの家電が低価格・高品質を実現できる理由は2つある。ひとつは海外に大規模工場を持っていることだ。

「国内外に複数の工場を所有していますが、メインは中国の大連工場。ラインはほぼ自動化し、品質が均一かつ低コストで製造可能です。また、当社はプラスチックや不織布など様々な素材を製造しているため、余分な仕入れコストがかからないのも低価格の実現につながっています」(福増さん)

2つ目の理由は値付け方法だ。製品の価格を決める際、通常は「この機能とこの機能で原価はいくら。売値はこれくらい」と値付けをする。だが同社では「この機能を備えた商品を作りたい」と考えたら、「いくらなら買いたいと思ってもらえるか」で売価を想定してから、逆算して原価を決める。開発前に仕様や機能の見積もりを行い、それらがクリアできてから企画を提案するのだ。

また、製品開発では「ユーザーイン」という考え方を徹底。これは開発者が実際に製品を使い、生活のなかでの困りごとを基に「あったらいいな」と思う機能を製品化する考え方だ。そこから「この手があったか」と消費者を唸らせる製品が生まれる。

「そんな家電の典型がモップ付きのスティッククリーナーである。開発者が自宅をクリーナーで掃除中に棚の上のホコリが気になり、『掃除機を置いてモップを取りに行くのは面倒』『掃除機がけとモップがけを同時にしたい』と考えて生まれたという。対面式のIHコンロも、夫婦でお鍋をするときの『私だけ火加減を見続けて、食べるのに集中できない』という奥さんの不満から生まれたのです」(広報室・高橋里奈さん)という。

かつて高度経済成長時代を牽引した日本の総合家電は、今や見る影もない。東芝やシャープなどは消えてしまった。

日立やパナソニックでないと使う気がしないという消費者は、どこを探してもいない。

家電という商品は、もはや巨大企業が高い利益を上げるために取り組むものではなくなってしまったのである。

 
 
 

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