『市民ケーン』は、近代映画の原点
- 高下 豊光
- 2021年10月16日
- 読了時間: 3分
"バラのつぼみ"が死体から浮かび上がる
オーソン・ウェルズ監督・主演「市民ケーン」の衝撃

1941年製作/アメリカ 原題:Citizen Kane 配給:ATG
監督:オーソン・ウェルズ
主演:オーソン・ウェルズ
オーソン・ウェルズが1941年に発表した処女作。脚本はハーマン・J・マンキーウィッツの協力を得た。
荒廃した壮大な邸宅の内で、片手に雪景色の一軒家のあるガラス玉を握り、“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し新聞王ケーン(オーソン・ウェルズ)は死んだ。
死後のケーンに与えられた賛否の声は数多かったが、ニュース記者トムスンは“バラのつぼみ”の中にケーンの真の人間性を解く鍵があると信じ彼の生涯に関係のある人々に会うことになった。
ケーンが幼少の頃、宿泊代のかたにとった金鉱の権利書から母親が思わぬ金持ちになった。
そのために彼は財産の管理と教育のため、片田舎の両親の愛の中から無理矢理にニューヨークに押し出された。

やがて青年になったケーンはかねてから興味を持っていた新聞経営にのりだした。
先ず破産寸前のインクワイアラー紙を買いとり友人の劇評家リーランド(ジョセフ・コットン)とバーンステインの協力を得て完全に立ち直らせた。さらに斬新で強引な経営方針と暴露と煽動の編集方針で遂にニューヨーク一の新聞に育てあげた。
読者を楽しませるが決して真実を語らぬ彼の態度を友人は諌めるが、飛ぶ鳥も落とすケーンの勢いには全く通じなかった。
世界第6位という財産をバックに報道機関をことごとく掌中にし、彼の権力はもはや絶対的なものになった。
一方大統領の姪エミリー(ルース・ウォリック)をしとめるに至り知事から大統領への座は目前のものとなった。
しかし圧勝を予想された知事選挙の数日前に、オペラ歌手スーザン(ドロシー・カミンゴア)との情事をライバルに新聞紙上で暴露され形勢を逆転された。
それと同時に妻エミリーはケーンのエゴイズムに耐え切れず去っていった。
離婚、落選という初めての挫折にケーンは狂ったようにスーザンに全てを集中した。
彼女の素質も考えず巨大なオペラ劇場を建て自分の新聞で大々的に宣伝をしたが、それはかえって彼女を重圧から自殺未遂へと追いやってしまい、遂には彼女も去っていった。
そして1941年孤独のうちにケーンは死んだ。トムスンの努力にもかかわらず“バラのつぼみ”の意味はわからなかった。
彼の死後身辺が整理されおびただしいがらくたが暖炉に投げこまれた。
そのなかの1つ幼少の頃に遊んだソリが燃えあがる瞬間、ソリの腹に“バラのつぼみ”の文字が現れた。。
そしてこの映画、『市民ケーン』は、当時では革命的というほどのユニークな表現に満ちている。 この作品によって生まれ、それ以後映画のスタンダード表現として定着した技法が目白押しなのだ。
その作品以前になく、それ以後に踏襲される表現の元祖作品を古典という。まさしく『市民ケーン』こそ古典にふさわしい。 ほとんどの見逃した人には激しくおススメ。

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