「永遠のゼロ」ツッコミどころ満載
- 高下 豊光
- 2021年12月25日
- 読了時間: 2分
神風特攻隊「永遠のゼロ」
---特攻隊美化の底知れぬ憂鬱
2013年製作/日本 配給:東宝
監督:山崎貴
主演:岡田准一

司法試験に落ち続け、人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎と、フリーライターの姉・慶子は、実の祖父だと思っていた賢一郎とは血のつながりがなく、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死した宮部久蔵という人物であることを知る。
久蔵について調べ始めた2人は、祖父が凄腕のパイロットであり、生きることに強く執着した人物であったことを知る。
そんな祖父がなぜ特攻に志願したのか。元戦友たちの証言から祖父の実像が明らかになっていき、やがて戦後60年にわたり封印されてきた驚きの事実にたどり着く。
興行収入は87億6000万円の大ヒットとなり、
第38回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞ほか8部門を受賞した。

映画監督の井筒和幸は、自身のラジオ番組で「見たことを記憶から消したくなる映画」と述べ、主人公の人物像についても「そんなわけない」と主張した。
ストーリーや登場人物が実在しないのに、有り得ない内容で特攻隊を美化していると非難している。
私は、原作者を必ずしも評価しない。それは、彼が上手なウソを交えてドキュメントとして執筆するからである。
例えば、やしきたかじんの没後に発表された百田尚樹著「殉愛」がそうだ。

ただし、「永遠のゼロ」は興味を持って読了している。
実際にこのようなマインドを持っていた特攻隊員もいただろう。美化したい日本人は実際にいるだろう。
私は、井筒和幸監督の意見には激しく同意したい。
ただし、本作品は、秀作には違いない。見逃した人には激しくおススメ。
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