R・ショックの裏側で経済破綻を予見
- 高下 豊光
- 2021年9月12日
- 読了時間: 3分
恐るべき実話「マネーショート」の憂鬱

クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラッド・ピットという豪華キャストが共演し、リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人の男たちの実話を描いた快作だ。
「マネーボール」の原作者マイケル・ルイスによるノンフィクション「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」を原作に、「アントマン」脚本などを手がけてきたアダム・マッケイが監督を務めた。第88回アカデミー賞では作品賞、監督賞など主要部門を含む合計5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。
舞台は、2005年のニューヨーク。なかでもここ金融界は、異様な慟哭に包まれていた。
金融トレーダーのマイケルは、住宅ローンを含む金融商品が債務不履行に陥る危険性を銀行家や政府に訴えるが、全く相手にされない。そこで「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引でウォール街を出し抜く計画を立てる
そして2008年、住宅ローンの破綻に端を発する市場崩壊の兆候が表れるのだ。

2004年から2006年にかけて、アメリカ合衆国では住宅価格が上昇し、住宅ローンの債権が高利回りの金融商品として脚光を浴びていた。多くの投資家たちがそうした金融商品を買いあさる中で、いち早くバブル崩壊の兆しを読み取った投資家もいた。本作はそんな彼らがどのようにしてサブプライム住宅ローン危機の中で巨額の利益を上げたのかを見事に描き出す。
「リーマン・ショック」は、2008年9月のアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけとする世界的金融危機のことである。また、その発端は、2007年末頃からの米国内の住宅バブル崩壊と言われている。リーマンほか投資銀行は、いくつかの住宅ローンを組み合わせて投資対象とした金融商品を世界に向けて売っていたが、その元になっているローンには、低所得者層向けの高利の住宅ローン「サブプライム・ローン」が含まれていた。
これは、好景気で上昇した地価と住宅価値を担保に、これまで高額のローンが組めなかった人たちを対象としたものであったが、資産価値が下がった瞬間に不良債権化する高リスクの“ヤバい”ローンである。「右肩上がりの景気は永遠に続く」という幻想もあり、投資銀行や格付け会社はリスクを承知で金融商品を乱発していた。
住宅景気が停滞した途端、一気に不良債権化したサブプライム・ローンがローン会社の資金繰りを圧迫する事態となっていく。
ローン会社の破綻は、やがてウォール街の資金繰りまでを圧迫、アメリカの金融界全体の破綻を引き起こし、それが世界的な経済危機へと繋がったのである。

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