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高倉健主演「南極物語」の裏話

高倉健主演「南極物語」の裏話


『どうして見捨てたのですか なぜ犬たちを連れて帰ってくれなかったのですか』

南極大陸に残された兄弟犬タロとジロと越冬隊員が1年後に再会する実話を元に創作を交え、北極ロケを中心に少人数での南極ロケも実施し、撮影期間3年余をかけ描いた大作映画である。

1971年の『暁の挑戦』以来、フジテレビが久しぶりに企画製作、学習研究社が半分の製作費を出資して共同製作し、日本ヘラルド映画と東宝が配給。フジサンケイグループの大々的な宣伝に加え、少年、青年、成人、家庭向けの計4部門の文部省特選作品となり、映画館のない地域でもPTAや教育委員会がホール上映を行い、当時の日本映画の興行成績新記録となる空前の大ヒット作品となった。

1983年公開の本作に主演した高倉健は、「死を覚悟」して撮影に臨んでいた。極寒の地で行われる過酷な撮影のオファーを受ける時に、迷いを断ち切る覚悟が必要であった。

彼は、比叡山の阿闍梨「酒井雄哉氏」を訪ねている。阿闍梨は、荒行中の荒行と云われる「千日回峰」を2度も達成した偉人であった。阿闍梨は、この時に高倉健に言葉を贈っていた。

それこそ「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」である。高倉健は、これを生涯の座右の銘として大切にした。

2014年11月10日に高倉健は永眠した。死去に際し、所属プロダクションは、彼の座右の銘を発表した。「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」高倉健は、その覚悟を持って俳優人生を成し遂げた。

このエピソードを心に刻んで「南極物語」を鑑賞して欲しい。きっとあなたの残りの生涯は、輝かしいものになるはずだ。

 
 
 

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