失望を呼ぶ歴代ノーベル平和賞の憂鬱
- 高下 豊光
- 2021年1月19日
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ノーベル賞は、日本人研究者と縁が深い。
ところが、異色と思える受賞者がいた。それが元首相の佐藤栄作氏であった。

1974年10月ノーベル平和賞の発表があったとき、国民の大半は驚き、一様に白けたという。
当時、自民党の政治家や財界人たちからも「なんで、佐藤に」という違和感が湧き起こった。
ノーベル平和賞といえば、受賞者の大半がその値打ちすらないと後日批判を浴びている。
元首相・佐藤栄作氏も同じである。
たとえば、米大統領だったバラク・オバマ氏がいる。大統領になってすぐの2009年4月、チェコのプラハでの演説で、核兵器をすべてなくす核廃絶を誓い、同年のノーベル平和賞を受けた。
だが、それにふさわしいことは出来ず、「賞を返すべきだ」との批判を浴びた。
さらに1991年に「民主主義と人権を求める非暴力の闘い」をたたえられてノーベル平和賞を受けたミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏も、失望を呼んでいる一人だ。
今は国家顧問だが、ミャンマーの少数民族で、政府から迫害を受けているロヒンギャ族の問題については、なんの手も打てないでいるように見える。
これまでにわが国でただ一人、ノーベル平和賞を受けた佐藤栄作元首相の場合はもっとひどい。
彼は「核兵器を持たず、作らず、持ち込まぜず」の「非核三原則」を提唱したことを評価され、1974年に受賞したのであった。
だが、米国との間では沖縄には核の持ち込みを認めるという密約を結んでいた。
その上、基地返還に伴う諸経費は日本政府が負担するという密約まで存在したのだ。
ノーベル平和賞は、廃止すべきだと思うが、どう思いますか。
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