米国映画「硫黄島からの手紙」・ズレていた"時代考証"
- 高下 豊光
- 2020年9月5日
- 読了時間: 1分
米国映画「硫黄島からの手紙」
---ズレていた"時代考証"

クリントイーストウッド監督
出演:渡辺 謙,二宮和也,伊原剛志
時代考証というより、日本軍への理解が無さすぎるのだ。
まず栗林忠道中将(渡辺謙)の軍服の飾緒(装飾)が正しくはない。
硫黄島で、中将が"参謀肩章"を吊っているのだ。
確かに、硫黄島に着任前の彼は第23軍参謀長であった。
参謀職にあれば当然の飾緒なのだが、彼は現在、第109師団長であって参謀ではないのだ。
さらに、栗林中将が着任したとき、胸に勲章をぶら下げていた。これも戦場に勲章をぶら下げていることなどありえないのだ。

撮影に際して、クリントイーストウッド監督に助言できるスタッフはいなかったのだろうか。
さらにまた、部下に敬礼されても答礼しない上官さえいたのだ。あるいは、米軍は、礼儀には無頓着だったのかも知れないが。
さらに文句をつけるなら、「硫黄島」の発音である。
戦争当時、この島は「いおうとう」と日本では云っていた。
「IOUJIMA」が、米軍の表記となったのは戦後である。
だから、「いおうとうからの手紙」が正しい読み方といえる。。
ほかにも軍上層部の「命令」を「指令」だと言ったり、首をひねる言い回しがいくつもあった。
NHK大河ドラマにも散見されることだが、時代考証や方言考証はしっかりやって欲しい。
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