最後のボトル"キープ番号は「116」"
- 高下 豊光
- 2020年9月10日
- 読了時間: 1分
松田優作の遺作「ブラックレイン」

この映画の撮影中は、"膀胱癌"が悪化していて血尿が止まらなかったという。
まさに死の直前であった。彼は、たとえ命を削っても完遂したかったのだ。
ニューヨーク市警の刑事ニックとチャーリーはヤクザの佐藤を逮捕し、日本に連行する。しかし目的地の大阪に到着するなり、佐藤が仲間の手によって逃亡。
言葉も通じない国で困惑しながらも、ニックとチャーリーは佐藤の追跡に乗り出す。そんなふたりを監視するベテランの松本警部補。
やがてチャーリーが佐藤に惨殺されるという事態に。
復讐に燃えるニックは松本とともに佐藤を追う。日米の刑事の友情、そしてその激闘を描くサスペンスアクション。これが遺作となった松田優作も強烈な印象を残す。
その覚悟は、スクリーンからも伝わってくる。鬼気迫るほどの不気味な雰囲気を醸し出していた。
彼は、生前、下北沢にある1軒のバーに常連として通っていた。そして--
バーには、死の直前に彼がキープしたアーリータイムズのボトルが残されていた。
そのボトルのキープナンバーは、「116」であった。
1989年11月6日、俳優松田優作はハリウッド進出を最後に息をひきとった。
奇しくも116の日付けだった。。
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