悪名高き霊感商法「統一教会」がバックアップした反共映画
- 高下 豊光
- 2020年9月25日
- 読了時間: 2分
悪名高き霊感商法
---統一教会がバックアップした反共映画

1987年製作/プロダクションU
監督:井上梅次、岩清水昌弘
出演:榎本孝明、国広富之、芝俊夫
日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の社会部は、地方自治体の後援を取り付けて各地で上映会を開き、券は統一教会員が「アフリカ難民募金」を称するインチキ募金などとセットにして売り歩いたと述べている。
当時、「スパイ防止法」の成立が叫ばれており、自民党を陰でバックアップしていたのは、国際勝共連合であった。
そして、マスコミはこの「スパイ防止法」に猛反対しており、一大キャンペーンを張ったのだ。
そのため、公開するタイミングが遅れてしまい、マスコミの思惑通り、商業ベースに乗らなかった。
2008年9月、東京渋谷の名画座シネマヴェーラで開催される「カルト映画特集」において、ようやく映画館での上映が実現した。
DVDは、通販限定で発売された。

「スパイ防止法」制定運動の啓発目的に制作された映画だ。マスコミは、総じて反体制の思想下にあるのだろう。
店長は、我が国はスパイ天国と揶揄されている現状をまったく怪しからんと考えていた。
作品は、大ヒット映画「シュリ」を彷彿とさせる、スパイ行為を巡る人々の苦悩をも描いた、濃厚な人生ドラマに仕上がっている。
ベテラン井上梅次監督とその愛弟子の岩清水昌弘氏が共同で演出を担当し、音楽は都倉俊一氏が担当した。
主役の野々村警視役に柴俊夫、大学時代の後輩でジャーナリストの高松役に国広富之、商社マン吉野役に榎本孝明、ボランティアに命を賭ける太田黒役に高岡健二がそれぞれ熱演した。
往年の豪華キャストに加え、スクリーン一杯に繰り広げられる洋上の大追跡は、能登半島沖の海上で、実際の不審船事件を再現し、大小の船に加え、ヘリコプターを駆使し、10日間に渡る大ロケーションを敢行して撮影した。
その迫力に、思わず引きこまれる。極上のエンターテインメント作品だ。
なお、TSUTAYAで手に入るかどうか不明だ。
Comentários