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後期高齢者の自殺を思う

俳優の藤木孝(ふじき・たかし)さんが死去していたことが20日、分かった。80歳。

同居する息子が20日未明、東京都中野区の自宅に帰宅したところ、亡くなっている藤木さんを発見した。


死因は調査中だが、自殺とみられる。テレビ朝日は「役者として続けていく自信がない」と書かれた遺書が残されていたと報じている。


事務所によると、「3月以降は新型コロナウイルスの影響で仕事が少なくなり、また、80歳という年齢もあって外出を控えていて、自宅で過ごすことが多かったようです」


来年1月に上演されるミュージカル「パレード」への出演が予定されていた。


藤木さんは静岡県生まれ。1959年、ロカビリー歌手としてデビュー。


歌唱力とダンスの才能をいかし、60年代前半に「レージィ・ギター」「踊れツイスト」「ツイストNo.1」などのヒットを連発し、“ツイスト男”の異名でツイスト・ブームをけん引するも、人気絶頂の1962年に歌手引退。


その後は俳優を志し、文学座の研究生を経て、66年の「劇団欅」の結成に参加。主に翻訳劇で活躍した。

ミュージカルなどの舞台に立つ一方、悪役から刑事までこなす俳優として映画、ドラマなど多くの作品に出演。大河ドラマ「太平記」「新選組!」にも出演した。


また哀しいニュースが飛び込んできた。男性の平均寿命は82歳である。

それを思うと、今自殺しなくても、という感想を持つ人は多いと思う。


公表された遺書を見るにつけ、違和感を覚える若い人はいるだろう。

たぶん、故人は家族に迷惑はかけられない、といった日本人特有の死生観に拘泥していたのだろう。

わが日本では尊厳死は認められていない。延命を目的にした延命治療だけが頑なに守られているのが現状だ。


脚本家の橋田寿賀子氏は、「安楽死で逝きたい」と明言されている。

延命治療は、本人に肉体的苦痛を、そして見守る家族には精神的苦痛を与えるだけではあるまいか。

 
 
 

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