哀しい実話「エレファントマン」とは?
- 高下 豊光
- 2020年9月11日
- 読了時間: 2分
哀しい実話「エレファントマン」とは?
---原因不明の奇病に侵された青年の短い生涯

1980年イギリス、アメリカ合作
鬼才デビッド・リンチ監督
アカデミー賞8部門にノミネートされた。
19世紀の英国に実在した身体が極度に変形する奇病患者の生涯を感動的に描いた話題作である。
悲痛な運命を通し、人間の本質をじっくりとあぶり出した。
作品は、人間の持つ善と悪の両面をマザマザと見せつけられた印象である。
異形の外見だけで相手を判断する人間の愚かさに改めて気付かされるのだ。
主人公「ジョセフ・メリック」は、1862年イギリスで生まれる。ごく普通の健康児であったが、5歳になったころ身体に異変が生じる。
腕と足の皮膚が固くなり、唇が巨大化する。腹部と頭が膨れ始め、やがて全身が樹木のように節くれだった。
11歳で母親が亡くなり、父親は再婚した。だが、この継母は奇形児となった息子を虐め抜くのだ。
さらに、継母は彼を家から追い出してしまった。

やがて救護院に救われたが、たまらず飛び出したのだ。
22歳になって地元の興行師を訪ねるのだ。彼は、見世物として巡業に同行する。
興行師は、彼に「エレファントマン」と名付けて各地を連れて回った。
その反響は凄まじく、イギリス全土から観客が殺到するのだった。
そんな時に医師「フレデリック・トレヴェス」と運命的に出会うことになる。
当初は、医学的な興味だったが、次第に二人の間に友情が芽生えるのだ。。
1890年4月11日の朝、ジョセフ・メリックはベッドの上で死亡していた。
享年27の哀しい生涯を終えた。
生前彼は、普通の人間のように眠りたい、という希望をトレヴェス医師に語っていた。
だが、肥大した頭の重みは、その願いを許さなかった。寝るときには、大量のクッションを背中に当てていたのだ。
--その日までは。。
Comments