スピルバーグに影響を与えたSF界の巨匠アーサー・クラーク
- 高下 豊光
- 2020年11月16日
- 読了時間: 2分
アーサー・クラークの作品を読んでいなくても、映画『2001年宇宙の旅』は観たことがあるだろう。

1950年代から1970年代にはロバート・A・ハインライン、アイザック・アシモフと並んでビッグ・スリーと称されるSF界の大御所として活躍した。
他の2人がエンターテイメント、SF叙事詩を志向したのに対して、クラークは豊富な科学的知識に裏打ちされた近未来を舞台にしたリアルなハードSF作品群と仏教思想に共鳴した「人類の宇宙的進化」を壮大に描く作品群とに特色がある。
代表作は『幼年期の終わり』、『2001年宇宙の旅』。作品のほとんどが邦訳されている。
また、短編では「太陽系最後の日」や「星」などが有名だ。SF以外の小説はイギリス空軍時代の体験を基にした1963年の Glide Path(日本語未訳)の一作のみである。
大まかに略歴を紹介すると、彼は第2次世界大戦中、イギリス空軍にて、空軍少尉兼レーダー技師を務めた。 1945年には人工衛星による通信システムを提案している。 1946年、ロンドンのキングス・カレッジ卒業(物理学、数学専攻)。 1946年から1947年まで英国惑星間協会の会長を務め、1951年から1953年にも再び会長を務めた。
1956年、スリランカ(当時セイロン)に移住したが、これはスキューバ・ダイビング好きが高じたのが主な理由であり、死去するまでほとんどの期間をその地で過ごしたそうだ。『スリランカから世界を眺めて』というスリランカでの暮らしに触れたエッセイ集もある。

また、晩年まで小説を執筆し、1998年エリザベス2世女王よりナイトの称号を授与された。
2005年にはスリランカの文民向けの最高の勲章 Sri Lankabhimanya を授与されている。
作品は、後のスピルバーグ監督に多大な影響を与えている。
『幼年期の終わり』が発表されたとき、もうSF小説は書けなくなった、と他の作家を絶望させたという。
死ぬまでに、ぜひこの作品を読んで欲しい。日常の些細な事がアホらしくなり、悩みや不安が氷解するだろう。
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