カルト教団オウム異聞・偉大なる"俗物"麻原教祖
- 高下 豊光
- 2020年9月9日
- 読了時間: 2分
偉大なる"俗物"麻原教祖
彼が、比較的貧困家庭に育った生い立ちは前回で述べた通りだ。

アニメ大好き。誰?このイケメンは。
彼は、ハンサム青年に憧れていた。
その証拠がオウム真理教を紹介するアニメだ。
彼が、短髪ではなく必要以上の長髪にしたのもそのせいだと思う。
育った家庭は大嫌いだった。そして己の容姿も同じように大嫌いだった。
彼の心の奥深く、ぬぐい難い劣等感が沈潜していった。
それを解消するために、彼は、救いをヨガに求めた。そして自己啓発の虜になった。
自己啓発から新宗教の類いを乱読した。やがて、彼の欲求は、「密教」へとたどり着く。
それが阿含宗だ。代表者は桐山靖雄である。著書に角川文庫版の「変身の原理」がある。
写真は、阿含宗の故桐山靖雄だ。

編集長は、この「変身の原理」を読んだことがある。
たぶん、麻原彰晃も読んでいると思う。
なぜなら、「オウム神仙の会」は、彼が阿含宗で学んでいた時に思い付いたのだから。
麻原彰晃は、心に沈潜した悪魔を退治する手法を発見する。
それが、能力開発を旗印にした新宗教だった。
彼がお手本にしたのが「阿含宗」である。
彼は、アニメの大ファンだった。
オウムの「教義」は、人気アニメからのパクリである。
「未来少年コナン」⇒ハルマゲドン、第三次世界大戦、水中都市構想
「機動戦士ガンダム」⇒光射衛星砲
「宇宙戦艦ヤマト」⇒コスモクリーナー
ヨガ実践サークルは、予想以上に成功するのだ。
入会希望者が後を絶たなかった。
『これを宗教法人化するのだ。そして、彼らの財産を収奪しよう』
さらに彼は、「空中浮遊」を"開発"する。
これは誰でもできるらしい。浮遊するのではなく落下するのだ。
それを写真に収めた。『これを発表しよう、それらしく見える』
さらにチベット仏教を紐解いた。
『これだ!使えるぞ!』彼は、その言葉だけを習得した。
お分かりだろうか。『バジラヤーナ』『ポア』その他のホーリーネームだ。
彼の俗物ぶりを示すのが、「ファミレス大好き」そして「ファミレス定食のドカ食い」だ。
およそ宗教家ではない。出家信者には、1日1食を強要していたのだ。
まったく、何故、理系秀才がこうも簡単に引き寄せられたのだろう。
編集長が思うに、理系秀才は総じて形而上的推敲が苦手だ。よって、彼らは容易に麻原彰晃に絡めとられてしまった。
また、バジラヤーナという危険な思想は、日本社会にそぐわないとして最長と空海が封印したものである。
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