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カルト教団オウム異聞・「洗脳コンテナ」の恐怖

彼らの強制的な「人格変容」は、相当研究されているようで、たぶん、逃れられる入会希望者はほとんどいなかっただろうと思える。

つまり、一旦コンテナに閉じ込められたら最後、もう犯罪者になる以外の

選択肢はなかったのだ。


だから、理系秀才がなぜ?という問いかけは空しく響く。



オウムの"マインドコントロール"は、「自爆テロ」を率先して行うイスラムの過激派と寸分違わない。


彼らは、テロを「聖戦」と云い、「自爆すれば死後はあの世に招かれ、好きなだけ美女を抱けるよ」と、教え込まれる。本部へ行くと、照明もないコンテナに入るように女性信者に諭されるのだ。

そして、入室するまえに合成麻薬を飲むように云われる。

コンテナが表から施錠される。すると大音量で麻原彰晃の説法が始まる。

3Dスクリーンには、地獄絵図の放映だ。もう完全に地獄の住人となるのだ。


麻原の声が云う。「私に帰依しなさい。私だけが、無間地獄からあなたを救いだせる」と。

合成麻薬の影響が現われる。心身が変容していくのが分かる。

幻覚が浮かび上がる。麻原の声に、本当に救われるような気になるのだ。

いったん変性意識に浸かってしまうと、時間をかけて「薬抜き」をしなければ治らない。

オウムの門をたたくような人は、どんな人だったのだろうか。

編集長の私にはそれを十分に説明できる。

知的水準が平均以上、自己改革の願望が強い。むしろ自分以外の別の存在になりたいとさえ思っている。

なんとかして現状を変えたいのだ。だから勉強熱心。しかも負けず嫌いと来ている。常識を外れた読書家だ。


本屋にいけば、自己啓発・新宗教コーナーへ真っ先に足を運ぶ。そして、ヨガもやってみる。

麻原彰晃の空中浮揚の写真をみて感動する。例えば、先日死刑に処された「井上嘉浩」だ。

そんな知的な真面目過ぎる若者たちが「国家転覆」を画策し、実行したのだ。

しかも実行犯たちは、それを「聖戦」と考えていたのだ。死刑台に上がり、彼らの胸に去来したものは、何だったのだろうか。

編集長の私は、以前東京に住んでいた。そのとき、モスクワからのラジオ番組を偶然聴いた。

それは、オウム真理教のラジオ番組であった。

麻原彰晃が説法していた。今思うと、なかなかに説得力があった。

私は、オウムの信者になりたいとは寸分思わなかった。だが、著書はよく読んだ。

あの時、入会しなくて本当によかった、と思う。

 
 
 

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