「メキシコ湾岸石油流出事故」の恐怖
- 高下 豊光
- 2020年9月13日
- 読了時間: 2分
「メキシコ湾岸石油流出事故」
---『バーニング・オーシャン』の恐怖
ピーター・バーグ監督作品

『バーニング・オーシャン』
マーク・ウォールバークが主演を務め、2010年に発生した「メキシコ湾岸石油流出事故」を描いた作品だ。
海上に浮かぶ石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン」内に流出した原油が爆発、凄まじい大火災を起こしたのだ。
海に流出した原油の総量は490万バレル(78万kl)、総被害額は616億ドル(約6兆円)と未曾有の大惨事となる。
後の調査で事故の発端は、利益至上主義に走った経営陣が、安全対策を怠ったことであることが判明した。
その日、電気技師マイク(マーク・ウォールバーグ)は3週間の勤務のため、ディープウォーター・ホライゾンに降り立った。
しかし現場ではマイクの上司で施設主任のジミー(カート・ラッセル)と、彼らの雇い主である石油会社BP社の管理職社員ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)らが激しく対立していた。
工期の遅れに焦るヴィドリンは、重要な安全確認テストを省略して作業を開始するよう強要してきたのである。
当初51日で終わる予定の作業が6週間も延びていて、1日延長するごとに50万ドルの追加予算がかかるのだ。
彼に押し切られる形で迎えた掘削作業は、案の定大量の原油が漏れ出す緊急事態が発生する。
噴出したガスや油がエンジン室に引火し、大爆発が起こってしまう--。
この映画は事故後、ニューヨークタイムズの記者たちが、生存者への克明なインタビューを行なって作り上げた記事に基づいている。
あの時、何があったのか、人々はどのように考え、どう行動したのかを、リアルに描こうとした作品である。
事故の迫力に圧倒される。
編集長の私は、映画の使命の一つが、事故や事件の社会的意義を極めることにあると思っている。
見逃した人には激しくおススメ。。
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