「ゾディアック事件」難解な暗号文、半世紀後に解読
- 高下 豊光
- 2020年12月15日
- 読了時間: 2分
1968年~1974年にかけて、アメリカ・カリフォルニア州で少なくとも5人が殺害された未解決事件「ゾディアック事件」。
犯人が残した暗号文である「340暗号文」が51年越しに解読されたと報じられた。

ゾディアック事件とは、1968年に若い男女2人がサンフランシスコ近郊で射殺されたのを皮切りに、少なくとも合計5人が殺害され2人が負傷した連続殺人事件である。
捜査が進行中の未解決事件であるゾディアック事件は、犯人が謎めいた記号で記された暗号文でメッセージを残すなどの奇怪な特徴から、2007年に公開された映画
「ゾディアック」をはじめとするさまざまな映画やドラマのモチーフとなっている。 ゾディアック事件の犯人と目される、通称「ゾディアック」(英語で黄道帯の意)と呼ばれる男は、アメリカの日刊紙サンフランシスコ・クロニクルなどの報道機関に複数の手紙を送っており、そのうちの1つは408個の記号で書かれていたことから「408暗号文」と呼ばれていた。
この408暗号文は、1969年に高校教師であるドナルド・ハーデン氏ら夫妻により解読されており、その内容は「私は人を殺すのが好きだ。なぜなら、森で野生の動物を狩るより楽しいから」「私が死ぬと私はパラダイスで生まれ変わり、私が殺した人は私の奴隷となる」といったものであった。さらに、ゾディアックは340個の記号で構成された「340暗号文」も残しているが、これは408号暗号文よりもはるかに複雑な内容だったため、FBIや暗号の専門家などが解読に取り組みながらも解読できなかった。
しかし、2020年12月5日にオーストラリアの数学者であるサム・ブレイク氏ら3人のアマチュア暗号解読チームにより、340暗号文がついに解読されたという。
オランチャク氏らが解読した340暗号文の全文は以下のとおりである。
日本語に訳すと、「私を捕まえようとしている諸君が大いに楽しんでくれることを願っている。しかしテレビに出たのは私ではない。私との違いは、私がガス室を恐れていないという点だ。なぜなら、それは私をすみやかにパラダイスに送ってくれるからだ。私はすでに、私のために働くには十分な奴隷を所有している。他の者たちはパラダイスに到達しても何も持っていない。だから死を恐れる。だが私は恐れない。なぜなら、私は私の新しい人生を知っているから。私の人生は楽園での死により、裕福なものになるだろう」といった訳文になるらしい。
この犯人は、優れた知能を有していたようだ。だが、死ぬのなら勝手にやって欲しかった。
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