2040年の憂鬱、孤独死年間20万人の衝撃
- 高下 豊光
- 2020年10月23日
- 読了時間: 2分
2040年には、誰にも看取られずに旅立つ人が20万人に達するそうだ。

内閣府の高齢社会白書によれば、「誰にも看取られることなく、息を引き取り、相当期間放置されるような、悲惨な孤立死」と表現されている。
家族難民は、数百万単位で溢れかえっているという、驚愕な試算がある。
では、なぜこれほどの孤独死、孤立死が発生するのだろうか。
失業、退職、離婚などで仕事と家庭を失って孤立する中高年男性の増加が上げられる。
また、生活保護や介護保険などの社会保障制度は、家族の存在を前提に設計されている。
最近の単身世帯の急増にうまく対応できていないのが現状である。
だが、孤独死は高齢者だけの問題ではない。10代、20代の孤独死も報告されているのだ。
中央大学の山田昌弘教授によれば、35歳から44歳までの未婚者で親と同居している人は、約305万人もいる。

そして20年後、親が亡くなれば、彼らは家族がいないままに孤立してしまうのだ。
だからと云って、無理に結婚してもらうわけにはいかない。自治体では、婚活のための様々な取り組みも実施されている。ただし、この新型コロナの感染拡大で中断しているのだが。
高齢になっても独身で家族からの保護を期待できない「家族難民」がすでに珍しくなくなっている。
現在、老齢年金の平均月額は、厚生年金約14万7000円、国民年金は約5万5000円(17年度末)だ。
一方、自治体の補助などがある特別養護老人ホーム(特養)の費用はざっくり丸めて月額7万~15万円、民間経営の介護付き有料老人ホームは月額15万~30万円以上必要といわれる。
特に都市部では、年金だけで民間有料老人ホームの費用をまかなうことは難しい。
今後20年のあいだで、安楽死(尊厳死)は法制化されるだろうか。
将来の日本社会には、避けて通れぬ課題だと思うのだ。
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