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鞆の浦・太田家住宅

太田家住宅は、1991(平成3)年に国の重要文化財指定を受けました。瀬戸内海を代表する往時の商家の佇まいを今に伝える、歴史的価値のある建造物群です。主屋や炊事場、保命酒蔵が見事に保存されていて、玄関には杉玉掛けもあり、造り酒屋の構えをよく残しています。これらの建物群は江戸時代中期から後期にかけて、「旧保命酒屋」中村家が拡張・増築していったものですが、明治に入って廻船業を営んでいた太田家に継承され、今日に至っています。1655(明暦元)年に大阪から鞆に移り住んだ中村吉兵衛は、1659(万治2)年に漢方薬酒・「十六味地黄保命酒」の製造・販売を始めました。


「保命酒屋」(旧中村家)として、江戸時代の間は醸造販売権を独占し、隆盛。まさに鞆の経済の中心だったのです。幕末の政変によって都落ちした三条実美ら尊王攘夷派の公卿7人が、鞆に立ち寄った際に一時の憩いを得たのが、この太田家住宅(旧保命酒屋)でした。

公卿らは保命酒に陶酔し、その美酒を褒め称える歌を残しています。

太田家住宅のおもてなしの心、お見事。朝宗亭は藩主の滞在にも使われた町家で、太田家(旧保命酒屋)の格式ある別邸です。鞆湾を巡る雁木の間に悠然と割って入ったかのような構えは、まさに大店の船問屋の佇まい。鞆港の一等地に腰を据える朝宗亭は、鞆の浦の顔としての貫録に満ち溢れています。


 
 
 

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