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自転車考現学 その10

事故は2008年9月22日、夜7時ごろに起こりました。事故現場となったのは住宅街にある坂道です。道も暗くなる時間帯でした。


事故当時11歳の少年は帰宅の途中でありライトを点灯したマウンテンバイクでその坂を下っていました。同じ道を女性が散歩していましたがそのことには気がつかず正面衝突し、女性は転倒、頭を強く打ち脳挫傷の重傷を負いました。 一命は取り留めたものの意識は戻らず、四肢拘縮などの後遺障害も残ってしまいました。


その後、女性側が損害賠償を訴え、裁判では少年の運転が危険な行為であったと主張、さらにその少年の母親が監督義務を果たしていなかったことについても主張をしました。 母親に対する請求額は、1億円強でした。これに対して、母親側は少年の運転方法は適切であったということ、母親は少年に対しライトの点灯およびヘルメットの着用も指導していたため過失相殺ができると主張していました。

「もし、我が子が自転車事故に遭ったら…」と不安に思う気持ち、中学生や高校生を持つ親なら当たり前です。大切な子供が自転車事故の当事者にならないよう、今一度ご家庭での自転車に対する認識と交通ルールの徹底をすることが大切です。特に最近は「歩きスマホ」が危険視されているように、スマホを持って、イヤホンやヘッドホンをして自転車に乗るのは危険な行為だということを認識してもらう必要があります。


自転車事故で加害者や加害者の親に一億円近くの賠償を命じる裁判例が出ています。

免許もなく乗れる自転車はその気軽さゆえに事故を起こしたときのことを考えず賠償保険に入らないまま乗っているケースが多くあります。

加害者側も巨額の賠償額を負担するのは困るのでしょうが,もっと困るのは賠償が十分にされない被害者側です。治療もまともに受けられない,自腹で治療費を払ったけど加害者から回収できない……。実際に保険に加入していないために支払えない事例は残念ながらよくあります。


最近はコンビニやスマホから加入できる自転車保険も多くあるようですので,もしもの時に備え,被害者になる方が困らないように必要な自転車保険には入るようにしておきたいものです。

ただ,実は自転車保険には加入していなくても,自転車事故に適用できる保険に加入しているのに知らなかったということもあります。

以前の事案で見つけ出した保険にはこんなのがありました。 自転車に直接付保するものではなく,加害者の父親名義のマンションの火災保険に個人賠償責任保険(個賠)が特約で付保されていました。それを見つけ出してその保険から賠償金を引き出したわけです。 (個人賠償責任保険とは,個人の日常生活や住宅の使用・管理等に起因して第三者の身体や財物に損害を与え,賠償責任を負担した場合の損害を包括的にカバーする賠償責任保険です。)

自転車事故に遭った場合は,その自転車に保険がついているか,ついていなくても上記のような火災保険や自動車保険に特約としてつけられた個人賠償責任保険などがないかをまずは確認してみてください(事故当時に入っていた保険を確認してください)


 
 
 

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