福山・吉備津神社、令和の大修理
- とよっチ
- 2020年11月13日
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1648年(慶安元年)初代福山藩主、水野勝成が旧規模に習い造営した神社である。

桁行七間、梁間四間と屈指の規模の本殿は、備後・安芸地方によくある「余間造り」の平面を持つことを地方的特色とし、正面に角度の深い千鳥破風と規模の大きな軒唐破風を持った堂々とした江戸時代初期の建築でありながら、室町の風格と桃山彫刻を具備した優秀な蟇股(かえるまた)を備えています。
勾欄(こうらん)の擬宝珠(ぎぼし)の刻銘及び文書により慶安元年建立が分かるなど、時代考証の尺度としても価値があります。
使用さえている材木はアスナロで、当時は比較的容易に大木が入手できたためと思われます。
また、本殿屋根に千木・鰹木がないのも大きな特徴となっており、正面回廊の上には、「虎睡山」という大きな山号(さんごう)が掛かるなど、神仏習合時代の面影を残しています。

全国的には神社の本殿が単独で建っている例は少ないのですが、備後一宮 吉備津神社は、拝殿、幣殿などが連結されておらず、誰もが直接本殿前でお詣りすることができます。
拝殿は一段下に独立してあるものの、神事や祈祷なども本殿内で行われています。
吉備津神社が、一宮(いっきゅう)さんの愛称で地域の人々に親しまれる理由は、このような神社構造も影響しているのかもしれません。
福山市の重要文化財に指定されている拝殿は、本殿造営時に共に造営されました。 この拝殿は本殿と独立して建てられていることが最大の特徴で、四方に腰板があるだけの壁が抜けている建造物で、開放的な造りになっています。
大修理が終わるのは来年の12月である。
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