疑惑のチャンピオンの憂鬱
- とよっチ
- 2020年9月11日
- 読了時間: 2分
長年にわたるドーピングにより、自転車競技界から永久追放を受けているロードレース選手ランス・アームストロングの栄光と転落の人生を映画化。

イギリスのサンデー・タイムズ紙記者によるノンフィクションをベースに、「クィーン」のスティーブン・フリアーズ監督が描いた。25歳で発症したガンを克服後、「ツール・ド・フランス」で7年連続総合優勝の偉業を達成したランス・アームストロング。
ガンで苦しむ多くの人々に勇気を与え、競技外ではガン患者を支援する慈善活動に尽力するアームストロングは、人々から賞賛を集める、まさにスーパーヒーローだった。
しかし、1人のジャーナリストの追及により、アームストロングの衝撃の事実が次々と明らかとなる。
「疑惑のチャンピオン」は、ガンから復活したスポーツ選手が世界的な大会で7連覇を果たした上、それがドーピングによる不正だったという、フィクション以上に劇的&衝撃的な物語。地道なリサーチの基に描かれたノンフィクションが原作だけに、圧倒的な再現度に驚かされる。
本作では、何が主人公を禁止薬物の使用に走らせ、なぜ不正行為を行っているにも関わらず、ガンで苦しむ人々を純粋に勇気づけることが出来たのか?という人間性の奥底も映し出される。
丹念に描かれる登場人物によって見る者の感情移入度が高まり、物語へぐいぐいと引き込まれてしまう実話映画のだいご味が、充分に味わえる作品となっている。
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