村上水軍博物館、「水軍」から「海賊」へ名称変更

2004年の開館以来、約91万人が訪れた愛媛県今治市の「村上水軍博物館」（宮窪町宮窪）の名称が2020年4月に「村上海賊ミュージアム」に変更されることになった。市が26日、発表した。ミリオンセラー小説「村上海賊の娘」（和田竜著）や、日本遺産「“日本最大の海賊”の本拠地　芸予諸島」の認定などで「海賊」の名称が定着し、来年10月に「日本遺産フェスティバル」が同市で開かれることも考慮した。スタッフ増員なども図る。

市の12月議会に名称変更の条例改正案、銘板、看板などの改修費200万円の予算を計上する。博物館は日本初の「水軍（海賊）の歴史をたどる博物館」として開館。中世に村上海賊の主要家系として活躍した能島（のしま）村上家の拠点だった能島城の考古学調査、村上家関連の文献調査を続けるとともに、各種企画展で中世瀬戸内海の「日本最大の海賊」の記憶をたどってきた。

田中謙学芸員「室町時代の文書にも『村上海賊』とあり、『水軍』の表記は江戸以降。明治の海軍関係者を中心に『水軍』の表現を使うようになってきたが、歴史的には『海賊』のほうが正しいと思う」--そうであったか。海賊ならば、瀬戸内の海の大名という呼び方はそぐわない気がする。やっぱり水軍が良かった。何も今変更しなくても。