尾道・三軒家アパートメント
- とよっチ
- 2020年8月22日
- 読了時間: 3分
尾道駅裏 徒歩3分。
時間が止まっているような、路地裏の空き家再生空間にようこそ。

空きアパートだった各部屋にはアトリエにカフェに本屋に卓球場に・・
一部屋ごとに違う表情に姿を変えた、魅力の詰まった小空間を覗きに来てください。
「インスタグラムを見て来ました」。取材当日も多くの観光客が足を運んでいた三軒家アパートメント。元々は時代に取り残され、全棟空き家となってしまった昭和の古いアパートだった。転機は8年前、古い空き家を再生して新しい価値を生み出すことを目的としたNPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」が改修を手掛け、サブカルチャーの発信拠点として生まれ変わったのだ。
ちなみにここは居住を目的とした物件ではなく、お店やものづくりをする人たちのために貸し出されたテナント物件。2棟10室の各部屋には、工房や共同ギャラリー、カフェなどが入っており、店主たちが自ら自由に改装。個性豊かな店がまるで部屋のように並んでいる。
三軒家アパートメントでは同じ屋根の下にさまざまなジャンルの店が集まっているので、店主同士の自然なつながりが生まれやすい。中庭などの共有スペースも充実していて、一般のテナント物件で個々に店を開いたら味わえないような楽しさに惹かれる人々も多いようだ。
昭和レトロな雰囲気を理由に、この物件での開業を決めたという人もいる。2013年からここで「路地裏ほぐしサロン manamana」というマッサージ店を営む緒方さんだ。元々「尾道空き家再生プロジェクト」の活動に興味があり、この物件の存在も知っていた。
「元々、自宅の一室でマッサージサロンを開いていたのですが、お客さんがなかなか来ない。本格的にやってみたいと思っていた時に、この物件と出合いました」
さらには、さまざまな人との出会いも魅力だという。

「SNSで話題になったり、メディアで取り上げられたことで、観光客も多く訪れます。全国から訪れる人と交流できるところは、この物件ならではですね」
空き家を有効活用して地域活性化を目指すNPO法人の取り組みということもあり、賃料は格安。4畳半の部屋は敷金礼金なしで、なんと月1万円。経営が上手くいかなかったとしても、大きな痛手を負わず、トライアルで開業できるのもこの物件の良さだ。
はじめに紹介したとおり、この物件は改装自由。壁を漆喰で塗り固めたり自分好みの扉に付け替えたりといったリフォームもできる。緒方さんに誘われて三軒家アパートメントでレンタル着物店を開いたSakuraさんは言う。 「賃料は安いのに駅からも近いし、自分好みにリフォームできる点も良かった。おかげで手軽にショップを始められました」
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