土佐が誇る海洋深層水仕立て、坂本龍馬もびっくり
- とよっチ
- 2020年9月15日
- 読了時間: 3分
海洋深層水は、北極あるいは南極の海水が冷やされた結果、比重の重さで海水の下に潜り込み、海底へと深く流れ込んでできる海流で、長い年月をかけて静かに地球全体の深層を流れています。

海洋深層水の代表格は、北大西洋のグリーンランド沖合で冷やされた海水が深層へと潜り込み、南極を回って北上するものが有名ですが、地域、水深によって起源や性質を異にする海洋深層水が様々に存在します。
室戸海洋深層水は、深度374mから汲み上げていますが、この海水は、太平洋の北部(オホーツク、アラスカ付近)から深層へ潜り込み、北太平洋の中層(水深約1000メートル)を時計回りにまわり、東経120度、北緯20度付近から日本へ向かって北上する「北太平洋中層水」と呼ばれる海水の一部が四国陸棚斜面あたりに湧昇したものであると考えられます。

海中では、植物性プランクトンがチッ素、リン、ケイ酸などの栄養素を消費して生息してます。しかし植物性プランクトンは、海面に届く光量の1%以上の光がないと光合成ができません。この光が届くのが水深200mあたりまでとされています。
これ以上の水深では、植物性プランクトンは光合成ができないことから、栄養素も消費しないため、海洋深層水には、チッ素、リン、ケイ酸などの無機栄養塩類が豊富に含まれています。 また、海水には多種多様なミネラルが含まれていますが、海洋深層水では、このミネラルがバランスよく含まれています。
さらに、陸水由来の大腸菌や一般細菌に汚染されておらず、表層の海水に比べ海洋性細菌類も非常に少ないなど清浄性にも優れています。
深層海域から室戸岬沖の陸棚に沿ってゆっくりと水温の高い海面表層に湧き出すことによって,永い年月をかけて蓄積されたミネラル成分が表層海水の肥沃化をもたらし、魚類や藻類の絶好の環境をつくりあげます。
昔から室戸岬沖の海域では、伝統的に定置網による漁法が行われていますが、この深層水の湧昇海流がもたらす好適な漁場によるものと言われています。室戸岬から佐喜浜にかけて国道55号線からたくさんの定置網がよく見えます。
一方、水深374メートルから取水された室戸海洋深層水は、これらの海洋深層水の特性を利用して、魚類の養殖をはじめ、農業用水、医療、化粧品、食品ほかさまざまな分野での海洋深層水(原水或いは脱塩、濃縮)の富栄養特性の研究開発がなされ、実用化が進んでいます。
醸造食品関連では、海洋深層水中の富栄養塩類、ミネラル成分による醗酵微生物への醗酵促進効果が注目され、日本酒、醤油、味噌等での醸造醗酵の特性が研究されています。海洋深層水の富栄養成分がもたらす醤油醸造酵母の醗酵促進効果、或いは醤油の小麦、大豆などの原材料成分への深層水の品質改善効果など、試験醸造で得た有効な特性或いは研究課題が多々ありますので、これからの醤油の品質向上に役立てればと思っています。
この項は、以下の引用です。問い合わせなどはマルバン醤油株式会社様へどうぞ。
マルバン醤油株式会社
住所:〒787-0021 高知県四万十市中村京町3丁目8番地
TEL:0880-35-2238
FAX:0880-35-5698
© Marubansyoyu All Rights Reserved.
この醤油と鞆の浦の保命酒があれば、天下泰平じゃきに。---土佐脱藩士、龍馬
Comentarios